中国で気温差90度、大西洋ではジェット気流が最速レベルに達する
週末、世界の2か所で、気温差に伴う珍しい出来事が起こりました。
中国の気温差90度
まず一つ目が、中国で生まれた記録です。
18日(日)、北部の新疆ウイグル自治区で最低気温がマイナス52.3度まで下がり、南の貴州省で最高気温が38.0度まで上がりました。結果、中国国内の1日の気温差が90.3度となりました。
気温の専門家マキシミリアノ・エレーラ氏によると、これは一国における同日に起きた気温差の記録としては、世界の観測史上最大である可能性もあるそうです。
南北の気象現象も真逆で、北部では寒風吹き荒れ猛吹雪となって車が立ち往生。かと思えば南では山火事が発生しました。
ちなみに、一国ではなく一地点における気温差の世界記録はどのくらいでしょうか。
ギネスブックにも載っている公式記録は、57.2度(※)です。1972年1月14日、放射冷却でマイナス47.7度まで冷え込んだアメリカ北部モンタナ州ロマで、フェーン現象が起き、気温が一気に9.4度まで上がりました。
(※24時間の気温差の記録)
最速レベルでひとっ飛び
所離れたアメリカ東海岸では、寒気と暖気がひしめき合い、上空を流れるジェット気流の速さが記録的猛スピードに達しました。気象局によれば、17日(土)首都ワシントン付近の上空11キロメートルの風速は秒速110メートルに達し、過去2番目に速い記録となったそうです。
乱気流警報も出され、空の旅は相当揺れたと察しますが、有難いことに、この追い風に乗って大西洋を渡る航空機はとてつもない速度に達しました。
ワシントンポストによれば、米国東部フィラデルフィアを出発し、カタールに向かったアメリカン航空120便の対地速度は一時時速1,300キロを突破したそうです。これは過去にほとんど例がないくらいの速さということです。
昼夜の気温差が広がる地球
気温差と言えば、先日、これまでの認識を覆すような論文が発表されました。
これまで、近年は夜の気温上昇の方が昼の気温上昇よりも大きくなっていると言われ、「アシンメトリーな気温上昇」などという言葉もつけられていました。
それはそれで問題なのですが、今月スウェーデンのチャルマース工科大学が発表した論文によれば、実は今逆のことが起きていて、1990年代からは昼間の気温上昇率の方が夜間のそれよりも大きくなっていることが分かりました。つまり、昼夜の気温差が広がっているという結果になったのです。
するとどうなるのでしょうか。人間にいたっては心拍数や血圧が変化し、ひどい場合は心血管疾患や呼吸器疾患をもたらす可能性もあるといいます。
地球はこれまでにないような大きな変化に直面しています。