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PGAツアーとサウジ側との統合合意発表後、「体調不良」で姿を消したPGAツアー会長が「復帰」を発表

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 PGAツアーとDPワールドツアー、そしてリブゴルフを支援するサウジアラビアの政府系ファンド「PIF」との統合合意を発表したわずか1週間後に「体調不良で休養中」と発表されたPGAツアーのジェイ・モナハン会長が、間もなく職務に復帰することが発表された。

 モナハン会長が3者の統合合意を発表し、PIFのヤセル・ルマイヤン会長とともに米CNBCのニュースショーに出演して笑顔を輝かせて見せたのは6月6日のことだった。

 しかし、この統合話を「寝耳に水」で聞かされたPGAツアーの選手たちからは、怒りや不満の声が沸き上がり、モナハン会長は激しい批判にさらされた。

 そして、統合合意の発表から、ほぼ1週間後の6月14日にモナハン会長は「体調不良による休養」を宣言。以来、モナハン会長の姿は、大揺れを続けるゴルフ界の最前線から、すっかり消えてしまっていた。

 モナハン会長の病名や病状が一度も明かされず、カムバックの時期や見通しも伝えられなかったため、「このままモナハン会長は職務を放棄してPGAツアーを去るのではないか?」等々、さまざまな噂や憶測が広がっていた。

 しかし、米ゴルフウィーク誌によれば、モナハン会長は7月7日にPGAツアーの理事会にメモを回し、「7月17日に会長職に復帰する」ことを伝えたという。

 モナハン会長不在の間、米上院議会からは「この3者統合は米国のためになるものなのか?」と問われ、7月11日に上院議会の小委員会に出向いて説明することを求める召喚状が出されている。

 これに対しては、モナハン会長はすでに「健康上の理由」で欠席することが決まっており、モナハン会長の代わりにロン・プライスCOOと統合に水面下で携わったジミー・ダン氏が出席することになっている。

 PIF側からは、ルマイヤン会長とリブゴルフを率いるグレッグ・ノーマンCEOが出席を求められているが、「スケジュール上の理由」で日程変更を求めているとの情報もある。

 日程が大幅に延期されれば、モナハン会長が米議会へ出向くことになるかもしれないが、召喚日程が7月11日のままとなれば、モナハン会長自身が米上院のヒアリングに出席することはない。

 その意味では、召喚日が「7月11日」、復帰する日が「7月17日」というあたり、「たかが1週間、されど1週間」と思えてくる。

 復帰が発表されたとはいえ、モナハン会長がどんな病状で1か月以上も大揺れの現場から離れていたのかは、いまなお一切明かされず、関係者の頭の中には、どうしてもクエスチョンマークが残る。

 だが、ともあれモナハン会長は、フェードアウトすることなく、職務を放棄することもなく、7月17日に復帰する。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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