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サンウルブズ&キヤノンのエドワード・カーク、好漢語録。「極論を言えば…」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
右がカーク。献身的な防御で魅す。(写真:Haruhiko Otsuka/アフロ)

 国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦するサンウルブズで共同キャプテンを務めたエドワード・カークが、初来日した昨年以来の目標だった国内トップリーグへの参加を目前に控えている。

 8月5日、東京・キヤノンスポーツパーク。今季契約したキヤノンの一員として、リコーとの練習試合に後半10分から登場する。得意のジャッカル(接点上の相手ボールへ絡むプレー)で試合を引き締め、36-21で勝利。長蛇の列をなしたファンとの写真撮影を終え、単独取材に応じた。

 身長191センチ、体重107キロの25歳は、オーストラリアのクイーンズランドで生まれ育ち、地元のレッズでスーパーラグビーを経験した。2016年からは、この年に発足したサンウルブズへ加わり八面六臂の活躍。献身的なプレーとオープンな性格で、一気にファンの心を掴んだ。

 昨季は、本人が探していた国内でのプレー先が見つからなかったことで短文投稿サイトのツイッター上では「#エドワード・カーク獲れ」というハッシュタグが舞った。カークがキヤノンの一員となったニュースは、日本の楕円球愛好家を大いに喜ばせていた。

 以下、本人の単独取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――きょうは加入後初の試合でした。

「キヤノンの1試合目ができてよかったと思います。トライアルゲームではありますが、私にとっては初めてのキヤノンでの試合。いいチームですし、いい雰囲気のもと試合ができたと思います」

――ピンチをしのいだジャッカル、見事でした。

「ご存知だと思いますが、それは私がいつも練習していて、得意とするプレーです。これからも継続してやっていきたいです」

――それにしても、人気者ですね。

「サンウルブズのファンも含め、私は日本のファンが大好きです。キヤノンは会社から応援に来ていて、キヤノンが好きだというよりコアなファンが多い印象です」

――トップリーグでは、同時出場は最大2人という外国人枠のなかで出場機会を探ることとなります。

「キヤノンの外国人勢には、いい選手がいっぱいいます。私は毎週、毎週、機会を得られればベストを尽くすだけです。これはスーパーラグビーも同じです。チームのためになるベストのポジションで、ベストを尽くすだけです。極論を言えば、そのポジションがセカンドチームの試合であっても、そこでベストを尽くすだけです」

――休みのないスケジュールを過ごすこととなります。

「今年のスーパーラグビーのシーズン中は、開幕戦で痛めた首のケアで休みをもらうことがありました。ずっと言っているように、私はトップリーグでプレーしたいと思ってきました。長いスーパーラグビーを戦って、母国に帰って結婚をして、ここへ戻ってきて、トップリーグを戦える。素晴らしいことです」

 母国のオーストラリアで7人制代表に入った経験があることから、本人の望む日本代表入りへのハードルは低くない。もっとも、カークの思いは「日本でプレーしたい」とぶれることがない。連呼した「ベストを尽くす」という言葉を、有言実行する。

 8月18日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる開幕節では、昨季王者のサントリーとぶつかる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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