大人が子どもの前で飲酒は不謹慎?クリスマスだからこそ控えよう、ノルウェーの啓発動画を3人に1人が視聴
北欧ノルウェーでは飲酒に関する考え方が日本よりも厳しい。この国には、「大人は子どもの前で、夕飯のテーブルで飲酒をするべきではない」という暗黙のルールがある。
クリスマスや大晦日がある12月は、大人たちの付き合いでクリスマスディナーが増加。お酒を一杯、二杯と飲んでいくにつれて、顔色が変わり、声が大きくなり、いつもの知っているパパやママが少しずつ違う人になっていく。様子が変わる大人の姿に怯える子どもは多い。だが、大人と違い、子どもは食卓を離れることを選択できない。
飲酒の危険性を喚起するノルウェーのキャンペーン団体「時々」は、クリスマス前に動画をFacebookにアップ。現在、ノルウェー語版は170万人、国民の3人に1人に視聴されている。
動画の主人公は、10才の女の子。クリスマスの楽しいはずの夜が、泥酔していく父親の記憶で染められていく様子を写したもの。これは、実在する30歳の女性の体験談をもとにしたものだ。動画の英語版は、YouTubeにアップされたばかり。
「パパへ。メリークリスマス。マーリンより」。「今夜が楽しみかい?」と娘のマーリンに聞き、お酒を飲みながら料理し、テレビを見るパパ。「1杯目」、「2杯目」、「4杯目」と、マーリンは、パパが飲むグラスの数をこっそり数えていた。クリスマスディナーの食卓で泥酔し、ゲストの前で口論をする両親。「大丈夫、大丈夫、きっと大丈夫…」と心の中で繰り返す少女。
「悲しいことに、休暇のシーズンになると、多くのノルウェーの子どもたちは、素敵な体験よりも泥酔した大人たちとの思い出でいっぱいになっています。酔いすぎたとあなたが自分で気づく前に、子どもはもう気づいています。子どもは、いつものパパやママを望んでいることを、両親はもっと心にとめるべきです。アルコール摂取による突然の態度急変は子どもを恐怖に落とします」と、同団体のリーダーであるカーリ・ランデンはプレスリリースで伝える。
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Text: Asaki Abumi