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静岡県 7月3日と7月4日は雨の降り方変わる

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

土砂災害の危険度が高まっている

7月1日~2日にかけては大雨になりました。7月2日午後7時までの48時間に降った雨の量はほとんどの所で200ミリ以上でした。これだけ広い範囲でこの雨量になるのは珍しいです。湿った空気が集中して県内に入って雨雲が発達しました。

7月2日午後7時までの48時間に降った雨の量(提供:ウェザーマップ)
7月2日午後7時までの48時間に降った雨の量(提供:ウェザーマップ)

この雨で地盤が緩んでいるところが多くなっています。県内には全域に大雨警報が、広い範囲に土砂災害警戒情報が出ています。いつ・どこで土砂災害が起こってもおかしくない状況になっているため、斜面からは離れたところで過ごしてください。

7月2日午後7時すぎに土砂災害警戒情報が出ている地域(提供:ウェザーマップ)
7月2日午後7時すぎに土砂災害警戒情報が出ている地域(提供:ウェザーマップ)

また7月2日午後7時の時点で東部は洪水や浸水の危険度が高くなっている地域もあります。川や低い土地には近づかないようにしましょう。今それほど危険度が高くないところも、今後急に危険度が高くなることも考えられます。最新の情報を確認してください。

7月2日午後7時の洪水危険度分布(提供:ウェザーマップ)
7月2日午後7時の洪水危険度分布(提供:ウェザーマップ)

7月2日午後7時の浸水危険度分布(提供:ウェザーマップ)
7月2日午後7時の浸水危険度分布(提供:ウェザーマップ)

雨の降り方が変化する

7月2日と、7月3日、7月4日は雨の降り方が変わりそうです。

7月2日

梅雨前線が太平洋側にかかってきました。静岡のあたりは東の高気圧を回る湿った空気と東シナ海からの非常に湿った空気が合流していました。湿った空気が集中して流れ込んだため断続的に雨が強まりました。広い範囲で雨が強まったのが特徴でした。

7月2日午前9時の天気図(提供:ウェザーマップ・筆者加筆)
7月2日午前9時の天気図(提供:ウェザーマップ・筆者加筆)

7月3日

前線は太平洋側に停滞しそうです。東の高気圧の縁を回り、南西の方から湿った空気が流れ込みそうです。南西の風が山にぶつかって雨雲が発達するため、南西に開けた斜面を中心に雨の量が多くなりそうです。特に午前中が雨が強まりやすいでしょう。

7月3日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ・筆者加筆)
7月3日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ・筆者加筆)

気象庁から発表されている予想雨量は、7月3日午後6時までの24時間で

西部 180ミリ

中部 180ミリ

東部 200ミリ

伊豆 200ミリ

雨の量の予想分布を見ると、南西に開けている場所が雨量が多く予想されています。西部や中部の山沿い、東部、伊豆の西海岸で雨の量が多くなるでしょう。

7月3日午後6時までの24時間予想降水量分布(提供:ウェザーマップ)
7月3日午後6時までの24時間予想降水量分布(提供:ウェザーマップ)

7月4日

太平洋高気圧の勢力が強まるため、前線が北上するでしょう。日本海にまで北上しそうです。県内は前線に近い北の方ほど雨が降りやすく、また前線に向かって湿った風が流れ込むため山沿いで雨雲が発達しやすいでしょう。

7月4日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
7月4日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)

7月4日午後6時までに予想される雨の量は、多いところで100~200ミリです。山沿いで雨量が多くなりそうです。

7月3日、7月4日と大雨の中心は変わっていきます。ただこれまで降り続いた雨で広い範囲で地盤が緩んでいるので少しの雨でも土砂災害などが起こる可能性があります。雨が少し弱まった地域でも危険な場所には近づかないようにしてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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