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韓国での”大学入試トラブル”にはどんなものが? 同じ”警察沙汰”でも…

2017年の受験時の様子。遅れそうになってパトカーに…(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

日本では16日、17日に行われた大学入学共通テストでの「鼻出しマスク逮捕男」が話題になっている。

過酷な受験競争で知られ、日本と同じく共通テスト「大学修学能力試験」が毎年行われる韓国ではどんなハプニングが起きてきたのか。

今年の「大学修学能力試験」は新型コロナ禍により、本来は11月19日の予定だった受験日が12月3日に変更となり、行われた。

およそ毎年ニュースになるのは「受験会場間違い」「身分証明書忘れ」「遅刻」だ。日本の大学入学共通テストでは英語のリスニングを除き、各教科20分までの遅刻が認められるが、韓国は朝の入室時間(6時30分から8時10分)に遅れたらアウト。

それゆえ、上記の類のハプニングはもはや風物詩の感もあるが、昨年12月に「ソウル経済」が上記の類のハプニングについて「笑えない」と報じた。

こういった出来事が起きたのだ。

済州では身分証明書を持ってこなかった学生が当惑してしまい、「試験を受けない」として入室締め切り時間3分前に学校の外に出てしまう出来事が起きた。幸い試験監督官が緊急に学生を探し出し、説得。再び教室内に連れて帰った。

要は絶望し、突発的に飛び出してしまった、ということ。アメリカや欧州あたりだと「もはや個人の判断」として追いかけられることもなかったのではないか。試験官が説得したという点が韓国らしい。

また、毎年のように起きる「警察出動」の話はやはり起きた。

済州ではまた別の受験生が「身分証明書を家に置いてきたが、警察が本人を(バイクの)サイドカーに乗せて家まで行き、再び受験会場に向かった」と報じられた。

「警察出動」の件は全州でも起きている。

当日、受験会場に到着する頃に寮に身分証明書を置いてきたことに気づいた学生が警察に助けを求めた。警察はこの学生とともに寮に戻った結果、会場入室時間にギリギリで間に合ったという。

そのほか、「受験会場の勘違い」(つまり遅刻の危険)により全国で5人が警察に助けを求め(韓国の110番に当たる「112番」に電話)、パトカーに乗るなどして受験会場にたどり着いた。全州では会場の入室締め切り時間10分前に「遅れそう」と連絡を受けた警官が(パトカーではなく)ダッシュで駆けつけた。難関は「巨大な交差点」だったが、警官は学生をリードしてこれを切り抜け、なんとか間に合ったという。

消防隊出動や「男子一人で受験」のハプニングも!

また今回(2020年12月)は各地で当日朝の車の移動によるトラブルもいくつか報告された。釜山では受験生を乗せた母の自家用車が交通事故に遇った。本人は軽症で受験が可能だったが、お母さんは事故直後に病院で治療を続けたという。

過去には「消防隊出動」の事例もある2017年の試験当日の朝、ソウル郊外義王市の受験生ふたりが暮らすマンションのオートロックの玄関が故障。消防隊が出動し、ドライバーや特殊な釘抜きなどで”救出”し、そのまま試験会場まで送ってもらうという出来事もあった。

ちなみに遅刻してしまった場合には…「最寄りの他の試験会場(高校が使われることが多い)で受験」という救済処置もある。2019年には韓国では「男女別に試験会場が別れている」がために、メディアが「恥ずかしい」と報じるハプニングがあった。釜山市で男子受験生が当日に会場を勘違い。本人の移動中に釜山市教育庁の「もはや時間がない」との判断により、近くにあるドンムン女子高で受験することになった。男子一人で。

「失格」は韓国でもあるが…

韓国でも(今回の日本の「マスク男」のように)「失格」となる出来事は当然のごとく起きてきた。多くは「禁止物の持ち込み」や「カンニング」だ。

なかでも「携帯電話の持ち込み」への処罰は厳格で、2019年には持ち込んだ学生が自ら申告したが許されず、退室処置となった。本人は友人からの助言もあり、昼の12時40分に試験管に申し出たものの、すでに2科目が終了していたため「失格」処分となった。この罪へのペナルティーは大変厳しく、場合によっては「翌年の受験資格」も剥奪される。

カンニングについては、2005年に36人規模の大型のものが発覚し、社会に衝撃を与えた。「超小型カメラつきのシャープペンシル」を使ってのものだった。翌06年からはシャープペンシルの使用が禁止となっている。

まあ今回の日本での「マスク事件」のように「当日会場で、厳粛な進行を妨害しようとする行為」という出来事は過去にも報告されていない。

近い事例があるとすれば、今年、コロナに感染歴のあるソウルの浪人生が「医療防護服」を着て受験会場に現れた”事件”があった程度。一部メディアでは「周囲の受験生が”妨害された”とネットに書き込み」とも報じられたが、本人は「周囲に感染ったのなら自分のせいだと思う」と真剣顔。メディアも今年ならではの風景として報じた。

韓国最大のポータルサイト「NAVER」を観る限り、今回の日本の40代男性のニュースは韓国では1媒体だけ「ノーカットニュース」が短い記事で報じたのみ。コメント欄にはわずかに書き込みがあったが、右派と思われる人物が全く関係のないチョ・グク元法相(いわゆる「たまねぎ男」)の悪口を言いはじめ、これに反発するコメントが入ったという程度だった。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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