今週(土)皆既月食 「赤い月と桜競演」は12分間だけ
4月4日(土)は、皆既月食。月が地球の影にすっぽり隠れ、赤く染まる幻想的な現象が、日本全国で晴れれば見ることができます。桜で彩られている頃に、皆既月食が起きるのはとっても珍しいこと。関東から西は、桜吹雪の中で皆既月食が見られるという貴重な体験ができるかもしれません。ただ、皆既時間(地球の本影に隠れる時間)がたったの12分間。記憶に新しい去年の10月の皆既月食は1時間ありましたから、今回はとっても短いのが特徴、見逃し注意です。
4月4日(土) 皆既月食の時間
(※全国共通 秒は四捨五入)
東の空の低い位置で午後7時15分に欠け始め、欠けていくにつれ、右上方向の南東の空へ移動。月が地球の影にすっぽり隠れる皆既食の時間は、午後8時54分から午後9時6分のわずか12分間。その後、もとの満月の姿に戻るのは午後10時45分です。欠け始めのころは、高度が低いので見づらいかもしれませんが、次第に高度が高くなってくるので、見やすくなってくると思います。できれば東の空が開けた所が見やすいでしょう。今回は月が赤く染まる時間はたった12分間ですからお花見で酔っぱらって見逃さないようにお気をつけくださいませ。
(月の色についての説明はこちら→http://bylines.news.yahoo.co.jp/mikajiritomoko/20141007-00039737/)
どうして今回は皆既(地球の本影に隠れる状態)が短いの?
皆既月食は、月が地球の影に全て隠れる現象ですが、いつも地球の影の同じ場所を月が通るわけではありません。軌道の傾きにズレがあるため、地球の影の真ん中を通過したり、端っこを通過することもあります。影の真ん中を通過する場合→影に隠れる時間が長くなります。一方、端っこを通過すると→影に隠れる時間が短くなります。今回は、地球の影の端をギリギリ通過するため、皆既食の時間が12分と短いというわけです。
未来の月食 次に皆既月食と桜(ソメイヨシノ)がコラボするのは?
次回、皆既月食が日本全国で見られるのは、2018年1月31日。そして今回のように、見ごろの桜とコラボする可能性のある皆既月食は、2032年4月26日。東北地方では満開の桜との競演が見られるかも。ちなみに、この時の皆既時間は1時間6分程ですが、真夜中です。その次は2043年3月25日で皆既時間は45分程です。お花見には早いのでは?と思うかもしれませんが、温暖化と都市化でソメイヨシノの開花は、東京など大都市で、ここ50年で約6日早まっています。もしかすると2043年には、3月後半が、あたり前のように満開の時期になってるかも…でも、温暖化という視点からは喜べることではないですね。
最後の「赤い月と桜の競演」にならないために…
次回の皆既月食とソメイヨシノとのコラボの可能性がある年は2032年、2043年とお伝えしましたが…
この頃には、今あるソメイヨシノのほとんどが樹齢80歳位の老木になっています。科学的な根拠はないものの、「ソメイヨシノ寿命60歳説」が話題になるこの頃。専門家の方によると、ソメイヨシノは、もともとは人が作った園芸品種なので、人が手をかけてあげないと枯れてしまう品種だそうです。特に、お花見時にソメイヨシノの真下にブルーシートを敷くのは、根が弱くなるので控えた方が良いということ。真下ではなく、ちょっとだけ離れた所からお花見するのが桜にとっても優しいお花見といえそうです。
未来の皆既月食と桜…そこにも今と同じようにソメイヨシノがあるのでしょうか…美しく咲き誇るソメイヨシノがあって欲しいと願いつつ…まずは、今週土曜日がどうか晴れますように。。。
月食の日の天気と最新の桜情報→http://sakura.weathermap.jp/
参考:「これから見られる日食と月食データブック」 国立天文台 片山真人著
:国立天文台HPhttp://www.nao.ac.jp/astro/sky/2015/lunar-eclipse.html