【河内長野市】免疫を高める薬膳料理がランチで!身体によいのに美味しい南花台の薬膳中国料理「桃季」
日本はいながらにして世界各国の料理が食べられる屈指の国ですが、その代表例と言えばやはり中華料理ではないでしょうか?中華料理でも町中華と呼ばれる庶民派とちょっとリッチな本格中華があると思いますが、河内長野には本格中華が食べられる桃李さんがあります。
場所は南花台、南花台一丁目北バス停のすぐ目の前です。
こちらが桃李さんですが、看板に中国養生家庭料理と書いてあります。身体によさそうなものが食べられそうなイメージですね。
桃季さんは「とおり」と読みます。
ドアには中国らしい漢字が並んでいます。念のため意味を調べてみました。
- 四季平安(一年中安全)
- 平安富貴人多福(平和、富、幸福)
- 美満幸福家添財(美しく幸せな家族は富をもたらします)
中に入ってみましょう。
中の様子です。いろんな調度品が所狭しとおいてあります。
茶器がほんとうにたくさん並べてありますね。とてもリッチな雰囲気を感じます。
テーブルも10卓以上ありますし、ソファー席もあるので、ゆったり気分でお食事が楽しめそうです。
ランチは週替わりランチ一択ですが、メイン料理はその日によって2~3種類よういされているので、お好きなものが選べます。そのメイン料理に前菜、サラダ、一品、ご飯、飲茶、漬物、スープ、デザートの中国点心とドリンクがついて税込:1,600円です。さらにドリンクはコーヒーと養生茶から選べるとのこと。
ということで、さっそくランチを注文します。目の前に出ているお茶は養生茶ではなく、水の代わりに飲む最初のお茶ですが、種類は香りのよいジャスミン茶でした。中国や台湾に旅した時のことを思い出す演出ですね。
こちらがこの日の週替わりランチのひとつです。蓮根入り肉団子で、酢豚風の味付けになっています。シャキシャキとした蓮根の歯触りが楽しく、とても人気のある料理だとか。
とろみのあるあっさりとした味わいのスープです。
炒め野菜もきれいに飾り切りがしてあり、手が込んでいることがわかります。
メインは肉団子以外も選べます。こちらは牛肉とカボチャの炒めものです。
まさにごはん泥棒の味付け。見た目以上にボリュームもいっぱいです。
サラダ枠の和え物です。海老やチャーシューが入っていますが、麺のように見えるのは、中国伝統食材の干豆腐(かんとうふ)、別名は「豆腐干(とうふかん)」です。硬めの豆腐を脱水と圧縮を行った後、干して作られた中国伝統の味です。
この料理は、中国料理の副菜として代表選手とも言える存在です。セロリの香りと味わいが干豆腐のあっさりとした味わいを引き立てています。
中国の揚げ春巻きです。もう一口別の味をというのに最適ですね。
ピータンと塩卵の盛り合わせと蒸し鶏です。塩卵は自家製で、あえて塩味を控え目にしているそうです。
箸と箸置きが特徴的ですね。
そして左がデザートの点心で、右が養生茶です。昔中国で茶芸と呼ばれるお茶をたしなんだことがありますが、それを思い出させて頂きました。
カップのガラスが二重になっていますね。ポットも保温されいるので、長い時間温かいままでお茶を楽しめます。また養生茶の中には、クコやナツメ、陳皮など、多種類の薬効のあるものが入っていました。飲んでいるうちに、体の中からぽかぽかと温まっていくのがわかりました。
たくさんの茶道具を見ているだけでも、桃李さんのお茶へのこだわりが感じられるなと思いました。店内にこのような茶器まで置いてあったのです。
とても素敵なお店だったので、食事のあと、店主さんにお話を伺うことにしました。ちなみに店主さんひとりでお店を切り盛りされているので、時間と心にゆとりがあるときに利用しましょう。
店主の李さんは、中国東北地方黒竜江省の省都ハルピンの出身です。奥様は同じ東北地方遼寧省の瀋陽(しんよう)の出身ということですが、現在は奥様のご両親の介護のため中国に戻っているとのこと。
特に李さんは「レンコン団子」へのこだわりがあるそうです。オリジナルレシピを使っており、レンコンはわざと大きめに切るそうで、レンコンの食感を楽しんでほしいと言います。またコースについていた中国の塩玉子・鹹蛋(しえんたん)も前述のとおり、自家製で作っているそうです。
そんな李さんが作る中国養生料理は、お昼ランチは予約なしでも大丈夫ですが、事前に予約しての贅沢ランチや中国風アフター、ディナーコースもおすすめです。それらは3日前までに予約して欲しいとのことですが、養生コースについては1週間前にお願いしたいそうです。
こちらは養生コースの一例です。この日はお誕生日のお祝いの席として用意されたコースだったのですが、右側を見ると漢文が書いてあります。これは誕生日の人を李さんがお祝いの意味を込めて漢文に表したそうです。
桃李さんからディナーの時の画像をお借りしました。アーティストが絵を描くように皿に盛り付けている料理の画像を紹介しながら、李さんに南花台でお店を開いた理由を聞いてみました。
李さんは36年前に日本に来たそうですが、当時日本では中国残留孤児の話題がニュースになっていたころで、残留孤児が多くいた黒竜江省では日本のことが非常に話題になっていたそうです。
日本の歌手、谷村新司さんや山口百恵さん、俳優の高倉健さんが活躍していたころで、李さんはハルピンで日本の映画作品などを観ていたため、自然に日本への憧れを感じるようになったそうです。さらに李さんの親戚も日本と関わりあったため、留学のために日本に渡ってきました。
面白いのはその時のエピソードです。心配した李さんのご両親は、「日本で食べていけるように」と、留学の前に料理を習わせたそうです。料理人の師匠の元で料理を習ったことが、結果的に現在の桃李開店につながりました。
日本語学校、大学と進学した李さんは、当初貿易会社に就職しましたが、12年ほど前に退職します。日本に渡る前に習った中国料理の店をやろうとした矢先に、運命の物件と出逢ったのですが、それが現在の南花台のお店だったのです。こうして11年ほど前に店をオープンさせました。
そして店の屋号に「養生」と付けたのにも意味があるそうで、李さんは「漢方」との対比してつけたのだそうです。「漢方」は病気になった時に治す薬なのに対して「養生」は病気を予防する免疫を上げるための食べ物という意味があるといいます。
医食同源という言葉がありますが、季節ごとの旬の食材を食べることが養生につながるそうで、李さんの出す料理はとにかく養生にこだわっています。
さて、珍しい楽器があります。これは現地では葫蘆絲・葫芦丝(フルス)と呼ばれるひょうたん笛で、中国やタイ、ミャンマーなどに伝わる楽器です。
なんとその場で李さんが、ひょうたん笛を吹いてくれました。
動画にも撮りました。
そして店内には中国琴や二胡などの楽器もあり、お客さんが演奏するそうです。李さんによれば、早い段階の予約で希望すれば、演奏者を呼べるかも知れないとのこと。店内で楽しくパーティができる場にしたいと李さんは願っていました。
見た目にも味にもよい養生料理のコースをおいしく食べ、体によさそうなお茶を楽しみ、中国の伝統音楽に耳を傾けられるリッチなひと時は、お話を聞いているだけで素敵だと思われました。
桃李
住所:大阪府河内長野市南花台1丁目1-10
連絡先:0721-55-2397
営業時間:11:00~14:00
※予約制の贅沢ランチのときは15:00まで
※予約制中国アフター 13:00~15:00
※夜は事前予約制 17:00~
アクセス:南海三日市駅からバス 南花台一丁目北バス停から徒歩すぐ
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