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サンウルブズのフィロ・ティアティアヘッドコーチ。山沢拓也問答、絶妙にかわす?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
元ニュージーランド代表バックロー。(写真:アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズで、発足2シーズン目の指揮を執るフィロ・ティアティアヘッドコーチが、10月8日、埼玉・熊谷陸上競技場でのトップリーグ(国内最高峰)の第6節2試合を視察。試合終了後、取材に応じた。チーム作りの過程だったためか、具体的なプランは話されなかった。

今季から着任の渡瀬裕司・CEO代理によれば、現在のサンウルブズは「33名ほどに対してオファーを出し、口頭で合意をいただいているのが14名ほど」。そんななかティアティアヘッドコーチは、日本代表のヘッドコーチでもあるジェイミー・ジョセフ・チームジャパン2019総監督と連携を図りつつ選手選考にも関わっている。

現状では、11月の日本代表のメンバーから外れているなか、来季のサンウルブズに参画するという選手も存在する。今後、セレクションの一貫性と妥当性がより問われる。

サンウルブズにとっての2017年度のスーパーラグビーは2月25日、東京は秩父宮ラグビー場で開幕。相手は前年度王者のハリケーンズとなる。ティアティアは2月上旬に再来日の予定。チームは前年度に続き、開幕1か月前からの始動となる。

この日はNECと対戦したパナソニックの山沢拓也に関する質問が集中。筑波大学4年生ながらトップリーグに参画する山沢は、この日、持ち前の突破力を生かしたトライやキックの精度などで存在感をアピールしていた。

以下、ティアティアの共同取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――この日はキヤノン対豊田自動織機、パナソニック対NECの2試合を視察しました。

「昨年のサンウルブズのメンバー、その他のメンバーのパフォーマンスを観るのは楽しみでした」

――現在のトップリーブの試合を観て、新たな選手をピックアップしたいのでしょうか。

「いつも、全てを観ています。セレクションプロセスです。ただ、まずはこの2つの試合のゲーム自体を楽しみにしていました」

―― 一番、印象に残った選手は。

「NECの一貫したアタックは楽しかった。パナソニックはフルメンバー、トップアスリートが集まっている」

――…パナソニックの山沢選手については。

「あなたはどう思いますか? …とても若く、キックもよく、とてもいいコーチングを受けていて、もっともっと良くなると思います」

――山沢はサンウルブズに欲しいですか。

「…若い選手で、いままで観たことがなかった。でも、とてもいいプレーをしていた。若い選手にチャンスが与えられていて、よかったと思います」

――一緒に戦いたいですか。

「私としては皆と一緒にプレーしたいですが、年を取り過ぎています」

――ジャパンのジョセフヘッドコーチとは。

「ジャパンとの一貫性について、すでにディスカッションの機会を多く持っています。それに沿って観ています」

――注視するポジションは。

「1番から23番。いいチームにはすべてのポジションにいい選手がいるので」

――以後の強化について質問です。トップリーグのチームからは、「過密日程下、選手の体力強化に割く時間が限られている」という声が上がっていますが。

「いい質問です。これは、S&Cの担当者と話していかないといけない。(日本の)シーズンが終わって、選手のメンタルや身体は疲れてくる。その辺りに気を付け、トレーニングの量と質を考えていきたい」

――遠征がある際、日本に残るメンバーに厳しいキャンプを課すなどのアイデアはありますか。

「残っている選手はS&Cにメニューを決めてもらって、やってもらおうと思っています」

――けが人補充のためのトレーニングスコッド作成は考えていますか。

「スコッドの人数は限られている。そのような入れ替えも考えていきたいです」

――開幕1か月前からの準備となります。再来日まで、どんな準備をしますか。

「次を楽しみにしていてください」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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