【京都府長岡京市】国の重要文化財の鎌倉時代の秘仏十一面観世音菩薩御開帳! ガラシャゆかりの寺で。
ぼけ封じの寺として名高く、また細川ガラシャ輿入れの城であり、明智光秀最後の砦としても知られる勝龍寺城の名の由来ともなる古刹・恵解山勝龍寺で、2022年8月18日、観音大祭が開催されました。
国の重要文化財となっている十一面観世音菩薩は、この日と11月第2日曜日のガラシャ祭の日のみ、寄託先の京都国立博物館から里帰りして、厨子内にある聖観音と十一面観世音立像とともに御開帳されます。京都国立博物館でも秘仏扱いとなっていて、ほとんど公開されることはないと言います。
住職の奥様に本堂内の仏像の間近でご案内していただきました。十一面観世音菩薩は、本体から天衣(てんね)遊離部、台座にいたるほぼ全容を桜の一材から彫成された、檀像と呼ばれる一木造りで、平安時代末期から鎌倉時代にかけての作品だそうです。面長の面相や写実的な目鼻立ち、すっきりとしたボディーラインが格好いい仏様です。
1977年(昭和52年)に長岡京市第1号の指定文化財とされましたが、翌年6月に国の重要文化財に指定されたため、市の1号は欠番になっているのだとか。傍らにある聖観音も鎌倉時代のもので、仏師快慶作と推定されています。2021年2月に京都府指定文化財に指定されました。もう一つの十一面観世音立像も長岡京市の指定文化財となっています。
かつて青龍寺と呼ばれた勝龍寺は、806年(大同元年)に弘法大師によって開基されたと伝わります。かつては、観音堂を始め九十九坊が建てられていた大寺院でした。かつての祈りの形、神仏習合を色濃く残し、境内には勝竜寺地区の氏神を祀る「春日神社」があります。
962年(応和2年)の近郷が大干ばつ・大飢饉の際、時の村上天皇は住職千観上人に7日間の祈祷を命じました。すると、結長いの日に雨が降り出し、「龍神に勝って雨を降らした。」という意味で、青龍寺から「勝龍寺」に改名されました。
勝龍寺では、副住職の奥様KAMICOさんが、ぼけ封じ観音やお釈迦さま、長岡京にゆかりの細川ガラシャなどを美しい切り絵で表現して御朱印にしている「切り絵御朱印」が人気です。また、neoseedが主催して、勝龍寺の本山がある清荒神からやってきた、七福神の一人・布袋尊に因んで、毎月第1日曜日に「ほてい市」としてマルシェを開催しています。
次回は2022年9月4日(日)、27年前に京都府で自給自足を始め大自然の中でホームスクーリングをしながら3人の子を育て、学びながら地球にやさしい暮らしを実践してきた村本敏・さゆりさんのおはなし会や、プロタップダンサー西村麻亜沙さんと「タップdeリズムあそび」など企画も盛りだくさん。マルシェでは、手作り作家を中心に、雑貨や体に優しいおやつ等のお店が出されます。
歴史ロマンを感じながら色々楽しめる勝龍寺へぜひ足をお運びください。
恵解山勝龍寺(外部リンク)京都府長岡京市勝竜寺19-25 075-951-6906
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