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韓国次期政権の主要「国政課題」 日本に追いつけるか!?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
国政課題のボードを手にする尹錫悦次期大統領(中央)(政権引き継ぎ委員会HPから)

 韓国は10日には尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足する。尹錫悦次期大統領の政権引き継ぎ委員会は昨日(3日)、尹政権が今後5年間で取り組む国政課題を発表した。

 国政課題(110)は大きく分けて20項目から成っているが、項目別に主な課題を3つ挙げてみた。

(1)常識と公正の原則を打ち立てる

 ・「コロナ被害」商工人や自営業者の完全な回復と新たな跳躍

 ・脱原発政策の破棄

 ・メディアの公正性と公共性の確立

 ※2030年まで原発10基を輸出する。

(2)国民の目線で不動産政策を進める

 ・住宅供給の拡大

 ・安定した居住のための不動産税制の正常化

 ・住宅金融制度の改善 

 ※住宅250万戸供給のための年度別、地域別ロードマップをつくる。

(3)疎通する大統領、仕事のできる政府にする

 ・すべてのデーターで繋がる世界最高のデジタルプラットフォーム政府の具現

 ・公正と責任を基盤とした力量のある公職社会の実現

 ・公共機関の革新を通じ質の高いサービスの提供

(4)経済体質を先進化し、経済活力を向上させる

 ・規制システム革新による経済活力の向上

 ・成長志向型の産業戦略の推進

 ・金融・税制支援の強化

(5)核心戦略産業を育成し、経済の再跳躍を牽引する

 ・製造業など主力産業の高度化による雇用創出の基盤確立

 ・バイオ・デジタルヘルスグローバル中心国への跳躍

 ・半導体・AI・バッテリ産業など未来産業の超格差確保

(6)中小・ベンチャー企業が経済の中心となる国にする

 ・公正な競争を通じた市場経済の活性化

 ・公正取引法執行の改善による被害救済の強化

 ・中小企業政策を民間主導の観点から再設計

(7)デジタル変換期の革新金融システムをつくる

 ・未来金融のためのデジタル金融の革新

 ・デジタル資産インフラ及び規律体系の構築

 ・金融消費者の保護と権益の向上

(8)陸海空を結ぶ成長インフラを構築する

 ・早くて便利な交通の革新

 ・世界をリードする海上交通物流体系の構築

 ・海洋領土守護と持続可能な海洋管理

(9)必要とする国民により厚く支援する

 ・持続可能福祉国家への改革

 ・安定した質の高い養育環境の造成

 ・差別のない社会の実現

 ※生後11か月までの乳児に月100万ウォンを支給する。

(10)労働の価値が尊重される社会をつくる

 ・産業災害の予防の強化と企業自立の安定監理体系構築の支援

 ・労使協力を通じた相生の労働市場の構築

 ・雇用安定網の強化

 ※週40時間の勤労制(残業含め52時間)の順守

(11)文化公営で幸福な国民、品格のある韓国をつくる

 ・普遍的な文化福祉の実現

 ・芸術人への支援体系の確立

 ・スポーツ福祉の実現

(12)国民の安全と健康を最優先する

 ・犯罪から安全な社会の具現

 ・医療基盤の強化と医療費負担の緩和

 ・予防的健康管理の強化

(13)住みたい農山漁村をつくる

 ・農山村支援の強化

 ・食糧主権確保と農家経営安定の強化

 ・豊かな漁村、活気のある海洋の実現

14)科学技術をリードする跳躍の足場を築く

 ・国家革新のための科学技術システムの再設計

 ・民・官協力によるデジタル経済覇権国家の実現

 ・宇宙強国への跳躍

(15)創意的教育で未来の人材を育てる

 ・100万人デジタル人材の育成

 ・国家教育責任制強化による教育格差の解消

 ・地方大学の重視

(16)炭素中立実現で持続可能な未来をめざす

 ・科学的な炭素中立履行方法による緑色経済への転換

 ・気候危機に強いウォーター環境と自然生態系の造成

 ・再活用による循環経済の完成

(17)青年の夢を応援する「希望の橋」をかける

 ・住居、仕事、教育などを支援

 ・公正な跳躍の機会の保障

 ・参加の機会の大幅拡大

(18)南北関係を正常化し、平和な韓半島をつくる

 ・北朝鮮の非核化推進

 ・南北関係の正常化と統一準備

 ・南北人道問題の解決

(19)自由民主主義の価値を守り、地球村の繁栄に寄与する

 ・自由民主主義価値と共同利益に基づく東アジア外交の展開

 ・能動的経済安保外交の推進

 ・国家サイバー安保対応力量の強化

(20)科学技術強軍を育成し、英雄を永遠に記憶する

 ・「国防革新4.0」推進でAI科学技術強軍の育成

 ・北の核・ミサイル脅威に対応する能力の画期的な補完

 ・米韓軍事同盟強化と国防科学技術協力の拡大

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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