[訃報]フリー・ジャズを代表するドラマーのロナルド・シャノン・ジャクソンさん逝去
フリー・ジャズを代表するドラマーのロナルド・シャノン・ジャクソンさんが亡くなられました。
オーネット・コールマンのプライムタイム、アルバート・アイラーやセシル・テイラー、ジェームス・ブラッド・ウルマー、ビル・ラズウェルらとの共演など、ロナルド・シャノン・ジャクソンさんが“ジャズの自由度”に刻んだ功績は、枚挙にいとまがありません。
ウチのCD棚にも彼が参加したアルバムは数知れず。
そのドラミングはジャズ・ドラムという概念を超越し、プリミティヴな打楽器の範疇にも落とし込むことができないという、まさに唯我独尊の存在感を放っていました。
♪Last Exit live 1986- 1/4
ラスト・イグジットは鬼才ビル・ラズウェルが1986年にスタートさせたバンドで、ノイズ・ミュージックに新たな一石を投じました。ラズウェルはファンク・バンド“マテリアル”を結成したり、ハービー・ハンコックの『フューチャー・ショック』への参加や『ロック・イット』のプロデュースでヒップホップ界へ殴り込みをかけるなど、時代の寵児として活躍した人。ラスト・イグジットではロナルド・シャノン・ジャクソンのフリー・ドラミングの概念を使いながら、60年代フリーとは異なるサウンドを模索しているようすがうかがえ、それにロナルド・シャノン・ジャクソンも同調していたことが伝わってきます。
♪Ronald Shannon Jackson- Ghost Dance
これまたクセモノのギタリスト、デヴィッド・フュージンスキーが参加しているバンドでのライヴ。フュージンスキーは上原ひろみのアルバムにも参加しているので日本でもおなじみでしょうが、スクリーミング・ヘッドレス・トーソズあたりから知っている人にとっては“アッチの人”という印象が強いかも。だから、ロナルド・シャノン・ジャクソンのバンドに参加しているほうが自然だと思えてしまうんです。
♪Ronald Shannon Jackson- Harlem Jazz Festival
ロナルド・シャノン・ジャクソンが1979年に結成したデコーディング・ソサエティのメンバーがいる動画です。このサウンドをいま聴いて感じるのは、彼は違う方法論でフュージョン(あるいはポスト・ファンク、アンチ・ブラック・コンテンポラリー)を具現したかったのではないかということ。ポップなのにベタじゃない、そこがカッコいいんです。
♪Ronald Shannon Jackson Decoding Society Montreux 1983
ちょっと長尺ですが、デコーディング・ソサエティ名義でモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演したときの映像があったので貼っておきます。スペーシーでファンキー、プライムタイムとウェザー・リポートのあいだをすり抜けていくようなサウンドで、「あー、ボクはもっともっとロナルド・シャノン・ジャクソンをシッカリ聴いておかなければならなかったな……」と後悔させるイカした音を発しています。
ご冥福をお祈りします。