阪神ファーム 紅白戦で黒瀬、小豆畑、陽川がソロ!…打たれたのも虎投ですけど。
9月に入っての公式戦が6勝1敗、しかも5連勝と好調の阪神ファーム。残りは5試合で3位という順位は変わらない状況とはいえ、できれば全部勝って終わりたいものです。選手は個々の数字を少しでも上げておきたいでしょう。ところが今月中旬から日程は飛び飛びで次の試合が17日、その次は22日。というわけで合間に紅白戦を行っています。12日に続いて、きのう14日、そして17日の広島戦が予定通り消化された場合は、18日も紅白戦の予定です。
12日の紅白戦開始前に右ひざを痛めた緒方選手は連休明けに精密検査をするそうで、詳しくはそれからになります。ちょっと時間がかかるかもしれませんね…。大事でないように祈りましょう。
久々に9人ずつの紅白戦
そんなこんなで、きのう14日の紅白戦は人数が足りなくて無理かも?と心配したんですけど、キャッチャー陣が交代でファーストを守り無事に行われました。一二三選手はきのうも守備のみ(レフト)で参加。打席に立つのは屋外の打撃練習を始めてからになりますが、もうすぐでしょうね。
球審はおなじみ筒井守備走塁コーチ、ボールボーイ役が金田投手と秋山投手。とにかく秋山投手の楽しそうな様子が印象的でした。打者のレガースを回収する時も、打ち終わったバットを渡す時も、そして戻ってくる時も口元に白い歯がこぼれ、サングラスで見えない目も間違いなく笑っていたはず。試合後に会って話したら、やっぱり楽しかったみたいですよ。
紅白戦でボールボーイ役をよくやっている松田投手も、すごく嬉しそうに飛び跳ねるくらいの勢いです。岩貞投手とペアだったりすると余計に楽しげで、なんだかピョンピョンしていました。しかし彼の場合、途中で「あ、そろそろ飽きてきたな」ってのがわかります。子どもみたいに(笑)。そんな可愛い遼馬くんも、きのうから1軍に行きましたね。躍動感たっぷりのマウンド、楽しみにしています。
一方、13日の広島戦で打ち込まれ抹消となった金田投手は「どんな理由も言い訳にもならないし、言い訳はしたくない」とひとこと。そして「またファームで走り込みます!」と巻き返しを誓いました。
《紅白戦》9月14日 (鳴尾浜)
紅組 200 020 =4
白組 100 001 =2 ※6回まで
◆バッテリー
【紅組】鶴-白仁田-小嶋-玉置 / 小宮山‐小豆畑(4回~)
【白組】榎田-久保田-西村-島本 / 藤井-岡崎(3回~)-清水(5回~)
◆本塁打 紅組:黒瀬ソロ、陽川ソロ(榎田)、小豆畑ソロ(西村)
◆二塁打 紅組:陽川
◆打撃(打-安-点/三振-四死球/盗塁/失策)
【先攻・紅組】
1]中:横田 ( 3-1-0 / 2-0 / 1 / 0 )
2]二遊:黒瀬 ( 2-1-1 / 1-1 / 0 / 0 )
3]三:原口 ( 2-1-1 / 0-0 / 0 / 1 )
4]遊二:陽川 ( 3-2-1 / 0-0 / 0 / 0 )
5]左:高山 ( 3-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )
6]右:中谷 ( 3-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )
7]指:日高 ( 3-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
8]捕一:小宮山 ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
9]一捕:小豆畑 ( 2-2-1 / 0-0 / 1 / 0 )
【後攻・白組】
1]中:俊介 ( 3-1-0 / 0-1 / 1 / 0 )
2]右:田上 ( 2-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )
3]二:北條 ( 3-0-0 / 0-0 / 0 / 1 )
4]三:森田 ( 3-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )
5]一捕一:岡崎 ( 3-1-1 / 0-0 / 1 / 0 )
6]捕指:藤井 ( 3-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )
7]指一捕:清水 ( 3-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )
8]遊:阪口 ( 2-0-0 / 0-1 / 1 / 0 )
※左:一二三 守備のみ
◆投手(安打-三振-四死球/失-自)
【紅組】
鶴 3回 12人 44球 ( 4-1-0 / 1-1 )
白仁田 2回 3人 13球 ( 0-0-0 / 0-0 )
小嶋 1回 5人 21球 ( 0-0-2 / 0-0 )
玉置 1回 5人 19球 ( 1-0-1 / 1-0 )
【白組】
榎田 2回 8人 28球 ( 2-1-0 / 2-2 )
久保田 2回 8人 28球 ( 4-3-0 / 0-0 )
西村 1回 6人 22球 ( 2-0-1 / 2-1 )
島本 1回 3人 9球 ( 0-0-0 / 0-0 )
紅組が3本塁打などで勝利
まず先攻・紅組の攻撃です。先発の榎田から1死後に黒瀬が、2死後に陽川がともにレフトへのホームランを放って2点を先取します。2回は2死から小宮山がセカンド北條のエラー(つかみ損ね、頑張って送球するもセーフ)で出ましたが、キャッチャー藤井の盗塁阻止で3死。3回からは久保田と岡崎のバッテリーで、先頭の小豆畑が右前打。横田と黒瀬は連続三振で2死となるも、小豆畑が二盗成功。続く原口の左前打でホームを狙いますが生還ならず。
4回も先頭の陽川がセンターのフェンス直撃の二塁打、1死後に中谷の右前打で陽川が、やはり本塁憤死。5回からは清水がマスクをかぶり、マウンドは西村。1死後に小豆畑がレフトへホームラン!横田が右前打、初球で盗塁を決め、そのあと西村の牽制悪送球で三塁へ。黒瀬は四球で1死一、三塁となり原口が左犠飛。この回2点を追加します。6回は島本に三者凡退と打ち取られました。
変わって白組の攻撃。紅組先発の鶴に対し、1回は俊介が右前打、2死後に森田が右前打、暴投で二、三塁となり岡崎が右前タイムリー。森田はホームでアウトだったため1点止まりです。2回は清水の右前打のみ。3回は三者凡退。4回から紅組のキャッチャーが小豆畑に代わり、4回は白仁田の前に三者凡退でした。5回は小嶋から俊介が四球と盗塁、田上も四球で1死一、二塁とするも無得点。
6回は玉置に対して岡崎がサード原口のエラー(よく捕って送球するも少し低く、ファースト小宮山が捕れず)で出て、藤井は右前打。清水の遊ゴロ併殺打で2死となりますが、阪口は四球で一、三塁。俊介への初球でダブルスチール敢行!ボールは二塁へ送られ、シュート黒瀬がグラブを高く上げてタッチをアピールしました。しかし、どこからもアウトの判定がなくシーン。しばらくして平田監督から「玉置、そのままいってくれ」の声で再開され、俊介の二ゴロで終了。重盗成功で1点返しています。
なお2回の紅組・小宮山選手の二ゴロ、6回の白組・岡崎選手の三ゴロは、それぞれ北條選手と原口選手が処理していて内野安打でもいいかなと思ったんですが、風岡守備走塁コーチいわく「どっちもエラー」とのことで、エラーとさせていただきました。
1回にソロ、黒瀬&陽川
先制の左本塁打・黒瀬選手は、ナイスホームランと言うと「ありがとうございまーす!真っすぐじゃないですかね。でもギリギリでしょう?」という言葉。いや、次の陽川選手はギリギリでしたけど。「じゃあ普通のホームランですね」。ところで6回裏の守備、ダブルスチールの場面で黒瀬選手は二盗の阪口選手にタッチしたんですよね?「いえ、タッチはしてない(笑)」。えっ、じゃあ…「あれで終わるかなと思ったんで」アピールしてみたのだそうです。
次に陽川選手。「ホームランは真っすぐです。ちょっと詰まっていました。二塁打も真っすぐですけど、これは芯でとらえたっす!」。打率を競い合っている北條選手に「神戸サブで抜かれた」と悔しそう。9日のオリックス戦(神戸サブ)は陽川選手が4打数0安打で.247、北條選手が3打数2安打で.249と逆転されたんですね。10日の同試合も陽川選手3の1、北條選手5の2で差が少し広がりました。
少し調子が落ち気味だった陽川選手は「最近ちょっとつかめたかなと思います。普通のバッティングでは。それが試合に出せるかどうか、やってみないとわからないので」と、まだ完全復調ではなさそうです。でもセンターオーバーの二塁打は、球速計に表示された“打球速度”が161キロ。速いな~なんて言っていたら、スタンドのお客様が「テニスはもっと速い」と。錦織選手の活躍ぶりは鳴尾浜にも浸透しています。
三者凡退の白仁田&島本
白仁田投手は投げ終わったあと平田監督に呼ばれて「もっと真っすぐを投げていっていい」と言われたそうです。「そうすればスライダーとか変化球で詰まらせることができる」と。今回もほとんど真っすぐだったので、それでいいってことですか?「そうですね」。岡崎選手と藤井選手を二ゴロ、清水選手を三ゴロに切って取り三者凡退でした。
島本投手も、高山選手を投ゴロ(強いピッチャー返し)、続く中谷選手は島本投手のグラブをはじく打球でしたがセカンド北條選手がナイスプレー、日高選手は二ゴロ。白仁田投手と同じく、すべて内野ゴロの三者凡退に「よかったですね」とニッコリ。「真っすぐとフォークだけ投げました。打ち取ったのは全部、真っすぐです。きょうはフォークで空振りを取るという課題を持っていて、それがクリアできてよかった」
「何がいいのかを確かめていきたい」小豆畑
紅白戦ながら、ホームランを含む2打数2安打1打点に盗塁まで決めた小豆畑選手。「ホームランはインコース高めの真っ直ぐです。でもホームランより(1打席目の)ヒットの方がよかったですね。インコースを張っていてアウトコースが来て、逆らわずにライト前へ打てたので」と振り返っています。このところバッティングの調子が上がってきたのでは?と尋ねたら「なんででしょうねえ」と思わぬ答えでした。
「良い時、悪い時とそれなりの理由があるけど、それがわかっていないというか。いや、自分ではわかっています。わかっているけど、それをもっと確かめていきたいんです。何が良くて打てているのかをしっかり把握しておかないと、悪くなった時に対処できなくなるから」
今はまだ探っているところなのでしょう。「僕は守備も含めて、波のあるタイプなんです。150の時があっても、全然っていう時もあるようではダメ。ずっと80でいかないと」。そのため試合に出ることも、さらには結果も必要。このところ出た試合には結構な割合でヒットを打っていますね。「もうちょっとで3割なんですよ。規定には足りないけど、3割で終われたらいいな」と言ったあと「でも僕は打つ選手じゃないんで、守りをしっかりと思っています」と表情を引き締めました。