【福井市】画家は越前和紙がお好き? 「越前ふくい美術館」で画家と越前和紙の関係について知ってみよ!
福井市大手地区に「越前ふくい美術館」はあります。「越前ふくい美術館」では、第1から第3展示室で常設展示が行われていて、画家と越前和紙の関係を絵画を通して知ることができます。
こちらは「第1展示室」にある浮世絵で葛飾北斎(1760~1849)の「えちぜん ふくゐの橋」という作品です。ふくゐの橋、とは福井市のつくも橋のことです。江戸時代のつくも橋の賑やかな様子が越前奉書紙に刷られています。越前奉書紙とは、古くから上質の楮で漉かれた紙で、公家・武家・寺社などの公用紙として重用されていました。
京都嵐山の渡月橋です。江戸時代から浮世絵に描かれるほど有名な景勝地だったのですね。一枚の絵を通して、今と昔が繋がるのが何だかとても不思議な感じです。
江戸の亀戸天神の太鼓橋です。当時は亀戸天神の門前町には、飲食店が多く、それぞれ生け簀を持っており、鮮魚をお客さんに提供していたそうです。業平蜆(なりひらしじみ)が名産品でとても美味だったと展示資料には記載されていました。傾斜がかなりあるので上り下りが少し大変かもしれませんが、橋の上から見る景色はきっと遠くが一望できる気持ちのいい眺めだったのでしょうね。
第2展示室は「藤田とピカソと越前和紙」をテーマに作品が展示されています。藤田は藤田嗣治(ふじたつぐはる)(1886~1968)のことで、1920年代のヨーロッパ画壇の寵児でした。晩年まで精力的に活動を続け、版画作品でも多くの名作を残しました。藤田は優れた紙として、和紙職人、八代目岩野市兵衛氏の漉いた越前和紙を探し当てたそうです。一流の画家が探し求めた越前和紙もまた一流の工芸品だったのではないでしょうか?
第3展示室は国民的画家である東山魁夷(1908~1999)の作品を主として展示しています。有名な「白馬シリーズ」も数多く見ることができ、幻想的な風景が越前生漉奉書紙に刷られています。
版画作品を中心とした有名な画家のいろいろな作品を見られる「越前ふくい美術館」。美術館を訪れて、越前和紙に刷られた素晴らしい作品の数々をご覧になられてみてはいかがでしょうか?
【施設情報】
「越前ふくい美術館」
住所:福井県福井市大手2丁目8-8
営業時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日休み)、年末年始
電話番号:0776-21-7311