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これから要チェック!あの高級植物が市場に進出&価格破壊!?

RANMARU園芸YouTuber

皆さん、こんにちは(^_^)

YouTubeで園芸の配信をしている、”らんまる”でございます!

最近は異常な暑さで人間も植物もバテ気味ですが、そうは言っても園芸シーズンです。売り場チェックは欠かせません。

さて、最近一般の園芸店やホームセンターなどで見かける機会が増えてきた「アグラオネマ ピクタム」という観葉植物をご存じでしょうか?

綺麗な迷彩柄お値段にちょっとビックリしている方もいると思いますが、実はこちらの植物、とてもマニアックでコレクション性抜群の観葉植物なのです。

今日はアグラオネマ ピクタムの

〇人気の理由・面白さ
〇価格の変動
〇購入時の注意点
〇栽培方法

について紹介します。興味がある方は是非最後までご覧ください♪

■なぜ人気?マニアの金銭感覚を崩壊させる魅力

まず、アグラオネマ ピクタム(Aglaonema pictum)とは、インドネシアやインドの熱帯雨林に自生する植物です。日当たりの良い草地ではなく、ジメジメとした森の中の林床にひっそりと生えているイメージです。

Aglaonema pictum 'Delaz fleet' SDM BNN from Sibolga Timur 【AZ0715-3】
Aglaonema pictum 'Delaz fleet' SDM BNN from Sibolga Timur 【AZ0715-3】

魅力は何といってもこの迷彩柄です。

画像はトリカラーと言われる3色構成の個体ですが、2色や4色、多いと5色くらい確認できる個体もいます。私は持っていませんが細葉タイプなどもあり、形態の多様性に富んでいるのが面白いです。

これらの違いは個体差はもちろん、採集された地域によっても差があり、ピクタムという単一の種類にも関わらず、凄まじいコレクション性を与えています。※たとえ同じトリカラーでも個体差が生まれます。

流通に関しては基本的に2パターンあり、園芸ルート(以前から国内外の生産者が増やしている詳細情報のないピクタム)と野生株・キャッチャールート(採集家により現地から輸入された野生株、またはその増殖・交配株)があります。

マニアに特に好まれるのは、後者のキャッチャールートの苗で、理由としては採集地や個体番号などが付き、単純にピクタムとだけ書かれている苗よりも個々の区別がつきコレクションしやすいからです。

また、採集者(輸入者)が独自のルートで仕入れているので、特異な個体や新しいタイプが販売された際は、欲しがるマニアが大勢います。

価格的にも大規模な業者による大量生産とは違うので、希少性が高く、高額になりやすいのもマニアの金銭感覚を狂わせる要因かと思います。

ちなみにキャッチャールートの価格帯は大きさやレア度によりますが

「数千円~数十万円」です。

キャッチャールートの苗は、一般園芸店で販売されることは稀で、植物のイベントや通信販売、熱帯植物を扱うマニア向けの専門店で主に扱われます。

「美しさ、コレクション性、希少性、高額種(プレミア感)」これらの要素は、長くピクタムをまさに”高嶺の花”に地位につかせてきました。

■近年の価格破壊で大衆化も間近!?

Aglaonema pictum 'Kingdom of Thailand'(タイ園芸の1タイプ)
Aglaonema pictum 'Kingdom of Thailand'(タイ園芸の1タイプ)

さて、そんな高級観葉植物のピクタムですが、最近はホームセンターでも見かける事が増えて来ました。

珍種の入荷に力を入れるお店の場合は、以前からピクタムの入荷はありました。しかしそれは上記で言う園芸ルートの詳細情報のないピクタム

私の周囲での価格ですが、詳細情報がない園芸ルートピクタムでも以前は2万円前後はしておりました。

当然、マニアはキャッチャールートを欲しがりますし、一般的な感覚の持ち主は2万円もする観葉植物になかなか手を出そうともしませんので、売れ残り、枯れていく個体が多かったです・・・。

ところが、ここ数年は事情が変わり徐々に価格が下がり、現在は私の周りの最安値で4000円切る価格になっています。

これは”メリクロン”という植物を大量に増やす技術によって生産された苗で、これらの流通により一気に価格が下がったようです。

他の植物でもメリクロンが出回ると数年で価格はどんどん下がり、ものによっては100均に並ぶまでなります。さすがにピクタムは生産現場での養生の手間的にも、100均には並ばないと思いますが、あと数年すればさらに安くなる可能性があります。

またキャッチャールートも、株がリリースされたばかりの時は高額ですが、購入した人も増やしてどんどんメルカリやヤフオクで売るので、欲しい人に行き渡るとこちらも価格は落ち着いてきます(多くの場合3000円くらいが底値ですが、探すと1000円位で販売されているのもあります)。

数年前まで2~3万していた品種も1万円以下で販売されているのを見ると、高い時に買った(しかも偽物!)自分には「まだまだ下がるなぁ」となかなか複雑な心境です(^^;)

■ピクタム購入の注意点!

さて、そろそろピクタムを欲しくなってきた方も現れ始めたのではないかと思いますが、ここからは知らなきゃ損な情報を・・・。

まず、詳細不明の個体(ラベル落ち)や古くから大量に増やされ流通している低価格品種は気に入ったのがあれば購入しても大丈夫です。

しかし、ピクタムの中でも高額品種とされる一部の個体は偽物の販売が横行しています。

特に有名どころはアンダマンでしょうか。

Aglaoema pictum ANDAMAN Port Blair North ID便
Aglaoema pictum ANDAMAN Port Blair North ID便

アンダマンというのは産地名です。

アンダマンはダークグリーン、グリーン、ホワイト、シルバーのコントラストが美しいマニア垂涎の品種です。

とは言え、よく似た配色の別品種も存在しており、それをアンダマンと偽って販売しているケースがあります。そんな見分けがつかないものが高額になるのかと思うかもしれませんが・・・・、なっちゃうから趣味の世界は怖いですね。

厳密には大型化した際に、アンダマンと別品種を並べればやはり違うなんて話はありますが、そもそも正式な販売元から直接購入した人も多くないはずなので、その実態を知る人も少ないのではないでしょうか。

さらにアグラオネマは茎だけの状態からでも増やせるので、それこそアンダマンとして全く似ても似つかない品種の茎だけが大量に流通した事もありました。

この手法は、アンダマンに限らず他の高額品種でもたびたび騙されたと話題になります。

偽物問題で厄介なのは、買った方も偽物と分からず、さらに増やして販売してしまうことがある事です。

そういう悪循環が起こっている業界ですので、高額品種を買う際はリスクを知り、できるだけ信用できる所から購入するのが望ましいです。

■我が家での育て方

育て方は人それぞれ色々な方法があるのですが、我が家での方法を紹介します。

〇用土

軽石を使用します。軽石は産地によって性質が違うのですが、我が家で使っているのは「榛名の軽石(小粒)」です。他の軽石も優秀なのがありますが、通販でも買えるのは榛名の軽石です。
他にも水苔、鹿沼土単体、鹿沼+赤玉などで育てる方がいます。

〇日当たり

レースのカーテン越しの光+LED(育成灯ではない)
レースのカーテン越しの光+LED(育成灯ではない)

最低限レースのカーテン越しの光があった方が良いです。可能であれば、離れた距離から育成灯※や熱帯魚用のライト、補光程度ですがLEDのライトバーなどを真上から当ててやると綺麗に放射状に葉を広げて成長します。
森林の中の植物なので、基本的には強い光は必要ありません。
※育成灯は威力が高い商品が多いので、使用する場合は十分に距離を離してください。適正距離は製品により異なります。

〇水やり

用土の表面が乾いたらタップリと与えます。完全に乾燥して放置してしまうと根が傷み、その状態で水をやると根が切り干し大根のようになりますので、完全乾燥はさせないように我が家ではしています。

〇肥料

軽石と置き肥
軽石と置き肥

我が家ではDCMの鉢に置くだけポン!観葉植物用を使っています。プロミックの観葉植物用でも大丈夫です。
植え付け時にはマグァンプKを入れますが、それとは別で1鉢に1つ与えます。鉢のサイズが大きくなっても我が家では1つです。そもそも肥料がなくてもそこそこ育ちますし、大きくなるのが嬉しくて沢山肥料をあげて失敗することが多いので、少なくて大丈夫です。

〇温度

15~30ど台前半
10どくらいまでは耐えた経験があるのですが、なるべく暖かくした方が無難です。高温については我が家での最高気温です。40ど近くなる地域でどうなるかは経験がないのでなんとも言えません。申し訳ありません(>_<)

よく温室で高湿度状態で育てているのが紹介されますが、普通の観葉植物のように常湿でも育てられます。特にホムセンで購入可能な苗は、湿度を高めなくてもすぐに環境に馴染むと思います。

しかし、マニアから購入した個体などは、前の持ち主がベチャベチャの高湿度育てていた場合は順化が必要になります。

馴化は衣装ケースなどで管理して、徐々に蓋と本体に隙間を作り、1ヶ月くらい様子を見ながら外気を入れて株を常湿に慣らします。

もし個人間で購入する際は、元の栽培環境を聞いた方が良いかもしれません。特に真冬や真夏などエアコン・ストーブで空気が乾燥する時期はご注意ください。

以上が育て方です。

少し癖がある植物かも知れませんが、魅力たっぷりですので、是非栽培していただきたいです(^_^)

きっとドハマりすると思いますよ♪

ではでは☆彡

園芸YouTuber

園芸に関する様々な情報をYouTubeで発信しています。初心者からマニアまで、「分かりやすい・楽しそう・勉強になる」と好評です。「室内でも綺麗に健康的に」をテーマに寒い北の大地で植物を育てています。観葉植物、多肉植物、蘭、その他様々な植物を扱います。

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