【京都市伏見区】京都市の端っこにひっそりと佇む鎮守社に初詣をしました。ご神木のパワーを込めた木札を!
京都市伏見区久我石原町にある「菱妻神社」は、平安時代後期、永久2年(1114年)2月、右大臣源雅実が天児屋根命(あめのやねのみこと)を勧請して、火止津目(ひしづめ)大明神として崇め奉ったことに始まる由緒ある神社です。以来910年に亘って、久我村の人々の鎮守として崇められてきました。
旧記には、「御遷宮の際には具仁親王をはじめ、源氏(久我家)、藤原氏の一族が牛車三両、手輿数十丁を連ねて社参した」と記されています。当時は、広大な境内と神領として神社の近辺に五千坪の地があって田中には檜が生え、数十丈の藤がかかっていたと言われています。その菱妻神社を2023年1月4日に参拝してきました。
正月の参拝用のしつらえはしてありましたが、ひっそりとした地域で地元民だけに親しまれる神社だけあってこの日はほとんど参拝客はなく静かに参拝できました。3ヶ日の賑わいの様子の跡だけがうかがえました。ただ、ご神木のパワーを込めた木札が授与されていました。お話をお伺いすると。
由緒ある神社の歴史を見守り続けてきた「ヒノキのご神木」が倒壊したのは、2018年のこと。台風21号による被害でした。同神社の運営委員の池上康治さんによると、「直径が40センチあった木が途中で見事に折れ曲がっていた」と言います。
2022年になって、宮司や運営委員らで検討し、「ご神木を加工してお守りにしよう」ということになり、神輿の台座を新調した際に出た松と桜の木も合わせて、色合いの異なる3種類の「神木守」が出来上がりました。レーザー加工で、「久我龜胆車」の神紋や社名を焼き付けてあります。
氏子約100人に配布した他、祭りや社殿の維持のために、一つ千円で授与することにしました。池上さんは、「社参してもらって、これを機会に平安時代から続く神社の歴史を知ってもらい、祭りを盛大にしたり、もっと地域を盛り上げていきたいですね」と語ってくださいました。
菱妻神社 京都市伏見区久我石原町3-27 075-931-3745