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元統一ウエルター級王者が、16日の3冠同級タイトルマッチについて語った

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 4月16日にテキサス州アーリントンで催されるWBA/WBC/IBF統一ウエルター級タイトルマッチ。

 WBC/IBF統一チャンピオン、エロール・スペンス・ジュニアが先週行ったバーチャル記者会見に、元WBA/WBC/IBF統一同級王者のザブ・ジュダーが参加した。スペンスは、若き日にジュダーに感銘を受け、そのスタイルを真似たそうだ。

スーパーライト、ウエルターと2階級を制したジュダー
スーパーライト、ウエルターと2階級を制したジュダー写真:ロイター/アフロ

 ジュダーは言った。

 「私はエロールを心から尊敬している。まずは人間性だ。そして、頑丈な点。アマ時代から彼の戦い振りを見ているが、打たれ強いよ。がっしりと立っている。プロになってからは、より大きな存在になったね。冗談抜きでウエルター級の王座を統一するだろう。

 エロールに私から掛けるアドバイスなど見当たらない。勝つために必要なことを理解しているし、いいジャブもコンビネーションも身に付けている。ボクサーになるべくして生まれた男だろうね。

 私自身、現役時代はウエルター級王者だったパーネル・ウィティカーに憧れたものさ。マイク・タイソンもアイドルだった。

タイソンと同じニューヨーク州ブルックリンで生まれ育ったジュダー
タイソンと同じニューヨーク州ブルックリンで生まれ育ったジュダー写真:ロイター/アフロ

 私は、どこで戦おうが気にならなかった。統一ウエルター級王座に就いたコーリー・スピンクス戦は、彼の故郷であるセントルイスで開催された。敵地だったし、生きるか死ぬかの戦いだったね。でも、とにかく目の前のファイトに集中した。今、エロールもそうだろう。

 エロールは打たれても下がらない、とにかく攻め続けるよね。その能力に長けている。まだ若く、時代の中心にいられると思うよ」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 ジュダーは勝者をエロール・スペンス・ジュニアと予想しながら、WBA王者、ヨルデニス・ウガスについても触れた。

 「ウガスも非常に才能のある選手だ。無茶苦茶ハードに練習している。彼の事も心服するよ。キューバ人選手とは試合をしなかったけれど、ホエル・カサマヨールや他のキューバ人ファイターとスパーで手合わせした経験はある。トリッキーで狡猾なテクニックを持っていたよ」

 3本のベルトが束ねられるビッグマッチが迫って来た。勝利の女神が微笑むのはどちらか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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