Amazon VS Googleの『Smart Display』戦争勃発
KNNポール神田です。
米国ラスベガスのエレクトロニクスショー CES 2018でGoogleのディスプレイ付きの、Google Smart Displayが発表された。
Google Smart Displayは次世代コミュニケーションテレビ
Googleから『Smart Displays.』の動画も公開された。
英語であるが、何ができるのかをイメージするにはYouTubeの動画が一番理解しやすい。
Your Google Assistant: coming soon to smart displays(English)
なんといっても、「Google Calendar」「Google Map」「Google Photos」「Google Search」「Google Allo」「YouTube」などを、音声のみでディスプレイできるるところが最大の魅力だ。
米メディアのThe VergeもLenovo版のSmart Displayの具体的な操作感を伝えている…。(English)
しかし、見れば見るほど、普通のタブレット端末に見えてくる…。タブレットとの違いは『設置して音声で使う』という1点だけな気がしてならない。
Amazon Alexaは、Windows 10へ
残念ながらMicrosoftの音声AI Cortanaとの相互乗り入れはまだ実現しておらず、Windows 10 PCでAlexaの音声AIが使える。ここで、Googleと敵対するAmazonとMicrosoft連合の構図が実現してきた。
GoogleとAmazonの決裂問題は?
そもそも事の発端は…Amazonのマーケットプレイスでの、Google製品の未販売から再発していた。過去に何度も小競り合いはあるが。
そして遂に…AmazonはGoogleのYouTubeと完全に決別し、VimeoとDailymotionに動画部分を委ねたようだ。
Apple Homepodも2018年2月登場予定の噂
すでにAppleの噂は、確定的なプレスリリース状態になっている…。発売が遅れに遅れの Apple Homepod
https://www.apple.com/homepod/
ここにきて2月発売の噂がでてきた。
すでに、SmartDisplay戦争の勃発中に、Displayを持たないHomepodはすでに魅力にかける…。しかも値段が349ドル(約3万9000円)となると…悲観的にならざるをえない。音質を売りにするのであればもっと早くもっと高価でも良かったはずだ。Smart Speakerの市場はもう満ちてしまっている。
Smart Display戦争の被害者はエンドユーザー
Amazonの、せっかくのおしゃれなEcho Showも、YouTubeやGoogleサービスにアクセスできないのは魅力が半減している。また、Googleアシスタント機能でも、AmazonのAlexa経由で、音声で注文できたほうがユーザーの選択肢は広がり、それがベネフィットに繋がる。Googleは広告ビジネスモデルだから、Amazonさえ、歩み寄りさえすれば、Googleは断らないはずだ。広告媒体が増えるからだ。
過去にAppleが、iPhoneのOS側で、Google Mapの排除を計画した時も、Appleの「MAPS」アプリのミス表示に対してGoogleはGoogle Mapをすみやかに対応していた経緯がある。各プラットフォーマーは、自社サービスのみでロックしようとすればするほど、他社プラットフォーマーの強みを失うのだ。他社プラットフォーマーへ自社の強みを提供することの最適解は、Apple iTunesのWindows版で歴史的に証明されている。
AmazonがGoogle Homeを販売しないことは、デメリットが多すぎる…。排他的にしたことによってAmazon Echoの売上にどれだけ貢献したかはわからないが、Googleから、YouTubeの提供を失うことは、Amazon Fire TVのユーザーにとっては大損害だ。ユーザーは商業的なメディアだけを見たいわけではない、ユーザー醸成(CGM)型のビデオコンテンツがテレビよりも支援される時代なのだから。
もしくは、Amazonは、Vimeoやdailymotion陣営で対応できると考えているのか…。いや、もしくは新たなCGM型のAmazon Videoへと拡充する意気込みなのかもしれない。
もし、Amazon側にその「動画プラットフォーム」に100歩譲っても勝算があるとしたとしても、Amazon Primeの年間契約ビジネスモデルだけでは非常に採算が厳しい。Googleのような広告挿入のプラットフォームは、フリーライダーの視聴でも成立する。Amazonは広告モデルではなく、実売モデルだ。財布と直結して流通を最大化するからこそ強みがある。
Amazon Primeユーザーは、動画も音楽も購入しないフリーライダーを育ててしまう。ユーザーが買わなくなるといつしかAmazonの顧客は自然枯渇してしまう。
現在のAmazonの強みはもはや数万に及ぶ「Skill」と呼ばれるボイスナビゲーションだ。これはamazonの新たな鉱脈なのである。ユーザーの行動をサードパーティーと一緒に共有することができる。これはまだGoogleが音声では、体験していない領域だ。
https://www.amazon.com/b?node=13727921011
amazonのジェフ・ベゾスCEOの、Googleに打ち勝つ次の一手がとても気になる。