日本三大稲荷の一つとして知られている『最上稲荷』（正式名称：最上稲荷山妙教寺）。高さ27.5ｍ、柱の直径4.6ｍもある大きな鳥居がシンボルで、特に初詣はたくさんの参拝客でにぎわいます。その最上稲荷ですが、実は縁切りと縁結びの両方の神様がいらっしゃるということをご存知でしょうか。縁切り、縁結びともいつでもお参り可能なのですが、毎月7日に行われる『両縁（縁結び＆縁切り）参り』では、お坊さんから正式な縁切の方法を直接教わり一緒にお参りができるということで体験してきました。さて一体どんなものなのでしょうか。詳しくお届けしていきます。

最上稲荷

日本三大稲荷の一つとして知られる最上稲荷。神社のイメージですが、実は最上稲荷山妙教寺という日蓮宗の寺。お寺でありながら特別に「神仏習合」の祭祀形態が許された仏教の流れを汲む貴重な稲荷なのです。簡単にいえばお寺なのに神社としてのシンボルの鳥居がある、とても貴重な場所ということですね。そしてこの最上稲荷は五穀豊穣、商売繁盛、開運…多くのご利益がありますが縁切り、縁結びの神さまがいることでも知られています。ちなみに縁切りと縁結び、両方の神様がいるのは京都の「安井金比羅宮」と最上稲荷だけだそうですよ。

両縁参りって何？

最上稲荷の両縁参りとは、悪縁を絶つ「縁切り」と良縁を結ぶ「縁結び」を合わせて行うのが特徴です。縁切りの神さま「最正位離別天王」（写真左側）と縁結びの神さま「最正位縁引天王」（写真右側）どちらの神さまも江戸時代から信仰を集めてきた「七十七末社」の一つで、神さまが力を合わせることでご利益を深めると考えられているからです。

「縁結び」と「縁切り」は相反する事柄ですが、良い縁を結ぶためには、まず今あるしがらみを一度きれいに絶ち切ることが大切とされています。「何をやってもうまくいかない」「前に進めない」という悪循環から脱して、新たな可能性を引き寄せるための手段として知っておくのもいいかもしれません。

「縁切り祈願」

縁切りとは相手に不幸をもたらすものではありません。たとえ自分にとって望ましくない縁でも、自分を成長させてくれた縁として感謝し、一区切りを付ける機会と捉えてみると心が軽くなるかもしれません。心機一転、新たな一歩を踏み出すためのステップとして、前向きな気持ちでお参りしましょう。

「縁結び祈願」

男女や家族・友人など人間関係の他にも、仕事や学業といった様々な縁で結ばれています。新たな仕事や勉強を始める際などにお参りすることで、より良い実りが訪れると信じられています。美麗・人気・愛嬌などの神さまも合わせてお参りし、素敵な縁を引き寄せましょう。

いざ両縁参り体験

両縁参りは毎月7日（1月を除く）に行われます。あらかじめ電話で申し込みをして予約をとりました。申し込みが多い場合には抽選になるようです。

受付で奉納料を納めたら絵馬やお札が置かれたテーブルへ。「縁切り」「縁結び」それぞれ願いを書きます。

縁結びの絵馬の紐は願いが叶うとされる「叶（かなう）結び」を僧侶直々に結んでくださいます。結び目が「叶」という字に見えることが由来だそうです。

ちなみに縁結びの絵馬は、願い事が他人にみられないように保護シールで封印します。人の目を気にせずご自分の思いを存分にお書きください。

さて、いざ良縁参りの体験です。奇数月は縁引天王、偶数月は離別天王の前で僧侶が祈願を行った後、縁の末社の正式な参拝方法をご案内していただき、まず縁切り札を真っ二つに折り、そして次に縁結び絵馬をご奉納します。一人一人ていねいに教えてくださるので安心です。縁切り札をばきっと折る瞬間、心が軽くなったような気持ちになります。・・・快っ感！

参拝後はホールにて縁について僧侶のひとくち説法を聞くことができます。ペットボトルのお茶もひとり一本いただきました。

お参り方法や作法は、最上稲荷公式ページからご覧ください。

特別な授与品

帰り際にこの縁体験に参加された方のみ特別授与される「縁御守」をいただきました。両縁結び体験の奉納料は900円なので（縁切り札が300円、縁結び絵馬が600円）プラスでいただけるのはお得でうれしいですよね。ご希望の方は1枚500円以上で「縁引天王」「離別天王」の御朱印をいただくこともできますよ。

ちりめんのハートがかわいいお守りは、お守り売り場で買いました。ちりめんの柄はひとつひとつ違うので、好みのものを選ぶのも楽しいですよ。

両縁結び体験 概要

速攻感じた「おかげ」

これはもう、気持ちのもちようというか…自分が「両縁参りのおかげ」と思うか思わないかになると思うのですが、わたしの場合は両縁参りの3日後くらいにお札に書いたことが叶いました。そしてその１週間後には絵馬に書いた事が実現するような道筋が見えてきた次第です。切ることも結ぶことも自分の中でけっこう強く思っていたので、両縁参りが背中を押してくれたような気がします。なので神さまに報告をするために近いうちにお礼参りへうかがう予定です。

おわりに

両縁参りとは、「お願いすれば絶対に叶う」というような単純なことではなくて、両縁参りをすることによってモヤモヤしている気持ちや沈んでいる気持ちが晴れて、前向きな方向に導いてくれる儀式なのかもしれません。人間必ずしもいい時ばかりではありません。ちょっと人生につまずいた時、誰かに背中を押してもらいたい時に参加してみてはいかがでしょうか。

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【イベント情報】
最上稲荷山妙教寺（インスタグラム）
住所： 岡山市北区高松稲荷712（ MAP ）
両縁参り体験：毎月7日 (1月を除く ※要予約)
駐車場：あり
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