Yahoo!ニュース

4~6月期GDP速報値は前期比1.5%増、年率換算で6.0%増に

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 内閣府が15日に発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比1.5%増、年率換算で6.0%増となった。民間予測の中心値は年率3%増あたりとなっていたことで、予想を大きく上回った。

 年率の成長率が6.0%を超えるのは、新型コロナウイルス禍の落ち込みから一時的に回復していた20年10~12月期以来。GDPの実額は実質年換算で560.7兆円と過去最高に。

 前期比で内需がマイナス0.3ポイント、外需がプラス1.8ポイントの寄与となった。GDPの過半を占める個人消費は前期比0.5%減と3四半期ぶりのマイナスとなっていた。

 輸出は3.2%増で2四半期ぶりのプラスとなったが、輸入は4.3%減で3四半期連続のマイナスに。個人消費の落ち込みが輸入にも影響していた。物価高などを背景に食品や白物家電が落ち込んでいだ。輸入の減少はGDPの押し上げ要因となる。

 輸出の伸びについては、半導体部品などの供給制約の解消に伴い自動車の輸出が増えるなど、一時落ち込んでいた反動といった側面もあった。

 数字の上では予想を大きく上回り、伸び率は2020年10~12月期の7.9%増以来の大きさとはなっていた。しかし、個人消費そのものは落ち込むなどしており、一時的な要因による押し上げ効果も大きかった。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事