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どうして2千円札は新札とならなかったのか

久保田博幸金融アナリスト
(写真:イメージマート)

 7月3日から20年ぶりとなる新しい紙幣が発行された。一万円札に渋沢栄一、五千円札に津田梅子、千円札に北里柴三郎の肖像がデザインされている。

 しかし、ここに2千円札の新デザインはない。どうしてなのか。

 むろん答えは、2千円札そのものが沖縄県内などでは流通しているものの、他の地域ではほとんど使用されず、流通量が減少していたからにほかならない。

 守礼門が描かれた2千円札は、2000年に開催された九州・沖縄サミットを記念して発行された。このため、沖縄ではそこそこ流通しているものの、ほかの地域ではほとんど見かけなくなっている。このため、2004年以降は2千円札は増刷されていない。

 自動販売機での導入が進まず、出金を受け付けないATMが大半を占めている状態ともなり、使い勝手が悪い。ただし、沖縄銀行のATMでは「不要」ボタンを押さない限り出金されるそうである。 

 この2千円札、表面は守礼門が描かれているが、裏面は源氏物語絵巻第38帖「鈴虫」の絵図ともなっている。まさに今年の大河ドラマの「光る君へ」にも関連している。これもあり、2千円札が脚光を浴びる日も、は少し難しいか。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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