サクランボの生産量日本一の山形県東根市。ここには10軒ほどの温泉旅館が集まる「さくらんぼ東根温泉」があります。
住宅地や水田がある平地なので、決して山の中の秘湯のような雰囲気はありませんが、昭和レトロな風情と趣のあるお風呂が待つ「よし田川別館」を紹介します。とても良いお宿ですが、平日など日によっては2名一室一人10,170円（税込・素泊まり）からと、意外にも比較的リーズナブルに泊まれます。

建物は新しくはないが、綺麗に清掃されている

館内に入ると、少し古い建物だなという気はします。ロビーの空間の広さから感じる贅沢感なども含めて、昔懐かしい昭和を思い出すのも事実です。

お部屋の居心地もよく快適。

内湯は古代檜、露天風呂は庭園を眺めながら

お風呂は男湯の「風見の湯」、女湯の「花風の湯」、貸切風呂の「一客一湯 遊心の湯」があります。

まず「花風の湯」から行ってみましょう。

男湯、女湯ともに内湯は古代檜の浴槽です。私は浴槽の材質では温かみのある木製が一番好きです。檜がお湯に馴染んで肌辺りも柔らかく、思わず縁に腕を乗せてまどろんでしまいそうに。

温泉の泉質は弱アルカリ性のナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉。保温と保湿に優れた性質を持つお湯です。

取材したのは2月でしたので雪景色になっていますが、露天風呂はとても雰囲気の良い岩風呂です。入浴中に大きな鳥が飛んできたので驚きましたが、野生のキジでした。

貸切風呂の広さに驚く

貸切風呂は45分3,000円（税別）ですが、最初から貸切風呂1回無料が付いた宿泊プランもあり、そちらを利用するとお得です。

貸切風呂といっても小さな旅館だったら大浴場といってよい大きさがあり、しかも内湯の浴槽は大浴場同様に古代檜です。なんと贅沢な。

さらに貸切風呂にも立派な露天風呂が付いています。

「よし田川別館」の夕食・朝食も紹介

お食事もたいへん美味しくいただきました。このときのメニューは、竹かごに入っているのはアボカドのチーズ焼き、焼き魚はブリ、グラスには白子ポン酢、お刺身は甘エビやマグロ。

お肉料理はご当地牛肉の山形牛で。

朝ご飯は温泉旅館のスタンダードなメニュー。テーブルで温める蒸籠の中はヘルシーに木綿豆腐と野菜でした。

※食事のメニューはプランや季節で異なります。

館内で楽しむ和の趣

このお宿に泊まって一番印象に残っているのは、浴衣の似合う和の趣が館内のいろいろなところで感じられるところです。

中でも池畔亭と呼ばれるお部屋を見つけた時には、隠れ家を見つけたようなワクワク感を感じました。

最初に書いたように、「よし田川別館」は決して新しくも豪華でもないお宿なのですが、ふと、あのときはこんな静かな時間を過ごしたなと思い出すような良いお宿です。女将を始め、スタッフの方々の温かいおもてなしも印象に残っています。