【人間関係に悩むHSPさんへ】明日から使える役立つ考え方5選
こんにちは、精神科医しょうです。
私は普段、精神科外来での診療に加えインスタでHSP気質を持つ人々に向けた発信を行なっています。
突然ですが、HSPという言葉はご存知でしょうか?
「繊細さん」という言葉とともに、一気に注目を集めるようになった言葉です。
今回は、繊細なHSPだからこそ、人間関係に悩んだ時に役立つ考え方を5選ピックアップしました。
HSPとは
Highly Sensitive Personの略で、生まれつき感受性が高く、敏感な気質を持った人を指します。
よく、病気なのでは?と勘違いされる場面がありますが、HSPは単なる「性質」であり、先天的な特徴と言えます。
人口のおよそ5人に1人がこの性質を持っていると言われています。
特徴
HSPの人は「DOES」の特徴があると言われています。
これはHSPの提唱者であるアメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が述べているHSPの特徴を現した4つの頭文字です。
・Depth of processing(深く捉える)
直訳すると「深く処理する」を意味します。
1つの物事に対して深く理解したり、多角的に捉えられる特徴です。
普段の話も、雑談より深い話をすることが好きです。
物事を理解する時は、人よりも多くの情報を処理しようとするので、見る人によっては判断や行動が遅いと捉えられてしまう可能性があります。
・Overstimulated(刺激に対して敏感に反応する)
直訳すると「過剰刺激」を意味します。
HSPは、匂いや音に敏感に反応してしまいます。
大きい音がするだけでも、精神的にダメージを受けやすいです。
また、他人が大きい声で怒鳴られている場面に遭遇すると、自分が怒られてなくても、気分が悪くなってしまうこともあります。
・Emotionally reactive and high Empathy(強い共感力)
直訳すると、感情的な受容と高い共感を意味します。
他人との感情的な境界線が曖昧になりやすく、相手の感情を自分のことのように感じ取れます。
相手が元気な時は元気になり、相手が落ち込んでいるとその雰囲気を引きずり、落ち込んでしまいます。
・Sensitivity to Subtleties(些細な変化に気づく)
直訳すると、「些細な感度」を意味します。
小さな変化にも気付きやすい特徴があります。相手のことをよく見ているので、顔色や態度の違いにすぐ気付きます。
少しでも心を解き放つために、役立つ考え方
些細な変化に気づき、相手の気持ちに強く共感できるHSP。
ですが、過剰に反応してしまい、人間関係においては周りに振り回されることもしばしば。
そんなHSPだからこそ、覚えておきたい考え方や言葉をまとめました。
本日の記事はいつもと趣向を変え、私個人の意見というよりは様々な人の発言を引用し、そこに私なりの解釈を加えお伝えしてみようと思います。
嫌われる勇気
「嫌われる勇気」という書籍はご存知でしょうか?
ビジネスパーソンは読んでいない人がいないほど、自己啓発本の中では王道の一冊です。
そして、HSPの人にこそ読んで欲しい本といえます。
アドラー心理学のトピックの一つに、「相手の期待を満たすために生きてはいけない」という考え方があります。
なぜなら、相手の期待は100%満たすことは不可能だからです。
人と接していると、どうしても相手の期待に答えようと頑張ってしまいますよね。
HSPは特に高い感受性を持っているので、相手の期待を必要以上に察知してしまいます。
さらに共感性も強いので、気持ちに寄り添いすぎてしまい、相手のために頑張ろうと思いがちです。
しかし、自分が良かれと思った行動でも、相手が思ったほど喜んでくれなかったことってありますよね。
相手が自分の行動をどう捉えるかは、コントロールできません。
相手にどう思われるか気にする思考を捨てる、「嫌われてもいいや」と気持ちをマインドセットすることが、相手にとっても自分にとっても大切な考え方になります。
課題の分離
アドラー心理学の中で、もう一つHSPの人に役立つ考え方があります。
それは、相手の期待を満たすために生きないためには、「課題の分離」が必要という考え方です。
課題の分離とは、自分と相手の課題を明確に分離する考え方です。
例えば、会社の上司が機嫌が悪いとします。
HSPの人は、自責の念が強いので、「自分が何かしただろうか」「少しでも機嫌が良くなるように接しないと」と考えてしまいがちです。
ですが、上司の機嫌が悪いことは、上司の課題(問題)であって、あなたの課題(問題)ではありません。
このように分離していき、「自分の課題」のみに向き合っていくことが大切になってきます。
課題の見分け方
いきなり「課題の分離をしよう!」と言っても、それができないから悩んでしまうんですよね。
そこで、見分け方をひとつ紹介します。
「この課題(問題)に対して、最終的に困るのは誰なのか?」を考えることです。
さっきの上司の例で言うと、上司が機嫌が悪くなることで、部下の気持ちも下がる→チームの雰囲気が悪くなる→仕事の効率が悪くなり、結果が出ない→責任を取るのは上司であるため、最終的に困るのは上司、ということになります。
もし判断に迷ったら、「最終的に困る人」を考えてみてください。
人と結果はコントロールができない
ビジネスYouTuberのマコなり社長が、上記で紹介した「嫌われる勇気」を経て紹介している考え方です。
人の評価を気にするということは、「気にすれば人の考えを変えられる」と思っているということです。
だからこそ、態度や言動をどうすればいいのかと固執してしまいます。
そして、物事の結果に対しても同じことが言えます。
結果を気にして頑張ってしまうということは、「結果をコントロールできる」と思い込んでいるということです。
しかし、人の考えも物事の結果も私たちには変えられません。
変えられるのは「自分自身のみ」です。
今後、人や結果に対して悩んでしまうときは「人と結果はコントロールができない」と心の中で唱えてみてくださいね。
構造思考
物事はすべて、運と構造によって決まるという考え方です。
これも、ビジネスYouTuberであるマコなり社長が提案する考え方です。
この世の全てのことは、ゲームのルーレットと同じように「構造」と「運」で引き起こされているといいます。
ルーレットは、それぞれ番号が振ってあり、どの番号に玉が入るかを予想するゲームです。
大抵の人は、予想した番号に玉が入らなかったからといって、イライラしたり理不尽だとは思わないでしょう。
なぜならその結果は、ルーレットのどこかの番号に入る「構造」で、どの番号に入るかは「運」だとわかっているからです。
HSPの人は、問題が起きたり悪いことが起きたとき、「すべて自分の責任だ」と思い込んでしまいがちです。
ですが、考えを一歩引いて、問題が起こった理由は「構造」と「運」によって起こったと考えれば、問題が引き起こされやすい構造を変える行動ができたり、今回は運が悪かったと受け流すことができます。
一人で抱え込みやすいHSPだからこそ、「構造思考」は頭の片隅にぜひ置いておいてくださいね。
今、できることをやる
世界的に成功したKPOPグループ、BTSのリーダーRMの言葉です。
今でこそ世界のポップスターに上り詰めたBTS。
しかし、パンデミック禍では、私たちと同じように絶望感を味わっていたといいます。
2020年に始まる予定だった世界ツアー。今までの集大成を見せよう、全身全霊で挑もうと意気込んでいた中、コロナにより全公演が中止になります。
どうすればいいか悲しみに暮れていた中、ファンとSNSでやりとりをしていくうちに、みんなも自分たちと同じように傷ついていると気づきます。
そして、ファンを元気づけたいと「Dynamite」はリリースされました。
リリース時、リーダーのRMはしきりに「今できることをやろうと日々考えている」と口にしていました。
悲しみの中で今できることを冷静に見つめる意識を、当時BTSは大事にしていたといいます。
日々生きていると、悲しい思いをしたり考えすぎてパニックになることもありますよね。
そんなときは一息休んで、心に余裕ができたら「できること」をひとつずつやってみてください。
大きいことはせず、自分にできることをこなすだけでも、とても素晴らしいことです。
人の気持ちを感度よく察知してしまい、深く共感してしまうHSPだからこそ、人の期待を適度に無視して、「自分のできることをする」ことを意識してみてくださいね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回はHSPの人の特徴と、HSPの人が悩んだ時に役立つ考え方や言葉を紹介してきました。
世界的に「メンタルヘルス」を考え、大切にする風潮が強くなってきています。
ここで紹介した以外にも、気持ちを大切にする考え方はたくさんありますので、今後も発信していきたいと思います。
この記事であなたの気持ちが少しでも楽になると嬉しいです♪
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?
「他人の顔色ばかりみてクタクタ」
「自分の意思で生きられない」
「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」
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