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最強エリート台風19号 連休直撃か 停電の心配も

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ウェザーマップ 気象衛星合成画像

台風19号猛烈な台風で今年最強

台風19号のように、マリアナ諸島近海で発生する台風は、台風のエリートとも言われます。世界でも有数の暖かい海の上、ウォームプールを進んで来るため、大量の水蒸気のエネルギー補給を受けて急速に発達するのが特徴。エリートというと聞こえが良いかもしれませんが、台風の場合は危険な台風=大荒れの天気をもたらします。今年最強の猛烈な台風19号、今後の行方は?

ウェザーマップ 台風進路図
ウェザーマップ 台風進路図

最新の台風進路図http://www.jma.go.jp/jp/typh/

猛烈な台風19号は、南海上で更に発達しながら北上し、ピーク時には中心の気圧は900ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は60メートルで今年最強です。11日(金)ごろには勢力はやや衰えますが、それでも非常に強い勢力で大東島地方に接近。その後暴風域を伴ったまま12日(土)から13日(日)にかけて、本州、四国、九州にかなり接近、上陸の可能性もありそうです。

危険なエリート台風19号の特徴

◇日本付近に接近しても勢力が強い→広範囲で大荒れ

◇接近すると、ジェット気流に乗って足早に駆け抜ける→暴風に警戒 台風の右半円で特に暴風となる(台風を流す風と台風自身の風が重なるため)

また今は秋の収穫時期に当たるため、農作物への被害も心配されます。

停電への備えを

台風19号と言うと、我々気象関係者は91年のりんご台風を思い浮かべます。主に青森県で収穫前のりんごがほとんど落ちたために、この名前で呼ばれるようになりましたが、りんご以外にも大きな被害をもたらしました。91年の19号は、長崎県佐世保市に940ヘクトパスカルで上陸し、九州四国で大規模の360万戸が停電、山口県の8割が真っ暗な状態に。各地で大雨や暴風が吹き荒れ、厳島神社では、暴風と高波のため国宝流出の大被害に。今回の19号は91年ほど強い勢力で接近しないものの、15号の千葉県の大停電のこともあるので、今回も大規模な停電に備えておいた方がよさそうです。避難経路や防災グッズの確認なども連休前の早めにお願いします。

また、まだ予報円が大きく進路が定まっていないので、最新の情報を常にチェックするようにしてください。

参考 10年天気図より

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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