なぜHSPが『自律神経失調症』になりやすい?!理由は慢性的なストレスと…
こんにちは、精神科医しょうです。
私は普段、精神科での外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーさんに対しHSP気質に関する発信、書籍の出版を行っています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)
あなたは「自律神経失調症」という言葉を聞いたことがありますか?
自律神経は、私たちの心身の調子を整えるために大切な役割を果たしている神経です。
最近「気分が優れず不調が続いている」「動悸や息切れがする」など、体の不調が続いていませんか?
慢性的に体の不調が続いている場合は、自律神経失調症になっているかもしれません。
自律神経はストレスとの関わりが大きく、刺激に敏感なHSPさんにとっても関係があります。
今回は自律神経失調症とHSPの関係、自律神経を整えるための習慣について紹介します!
自律神経失調症とは?
まずはじめに、自律神経とは交感神経と副交感神経という二つの神経から成り立っています。
交感神経は活動性を高めるための「活発な神経」で、それに対して副交感神経は寝てるときやリラックスしてるときに働く「休むための神経」と言われています。
上記の二つの神経のバランスを上手く取ることで体内の環境を整えることができるのですが、不規則な生活などによってバランスが乱れてしまうと心身にさまざまな不調が現れます。
この状態を自律神経失調症といいます。
自律神経失調症には主に下記のような症状があります。
- 頭痛、耳鳴り
- 動悸
- 息切れ
- 吐き気
- 下痢、便秘、下腹部の張り
- 倦怠感
- 多汗症
- 微熱
- 手足の冷え など
上記のほかにも、やる気が出ない・集中力の低下・気分の落ち込み・不安感が強いなど、精神的な症状がある場合は自律神経失調症の可能性が高いです。
HSPと自律神経失調症は関係がある?
HSPとは生まれつき周囲の環境の変化や刺激、他人の気持ちに敏感な気質を持っている人のことをいいます。
以下の項目に複数当てはまるのであれば、HSPの可能性が高いです。
- 大きな音、眩しい光、強いにおいが苦手
- 周りの些細な変化に気がつく
- 空気を読むことが上手く、他人の機嫌に影響されやすい
- 美術や音楽が好きで感動しやすい
- 一人になれる時間や空間が好き
- ストレスが溜まりやすく神経が疲れやすい
HSPは刺激にとても敏感なため、他の人よりもストレスを受けやすい傾向にあります。
ストレスによって常に緊張状態になっていると交感神経が活発に働きます。
この状態が長く続くと、やがて自律神経に影響が現れて不調をきたす可能性があるのです。
したがって、HSPの人は自律神経失調症になりやすいといえるでしょう。
自律神経が乱れる原因はなに?
慢性的なストレスの蓄積
自律神経が乱れる原因の一つに「ストレス」があります。
私たちは生活の中でさまざまなストレスにさらされていますが、特に人間関係や仕事でのプレッシャー、家庭環境においての悩みによって慢性的なストレスが蓄積されることで心身に不調が出る可能性があります。
また、光や音、温度など周囲の環境に対してのストレスも原因として挙げられます。
ほかにも、転職や転勤、結婚など自分の身の回りの環境が大きく変化するイベントがあると、精神的負荷がかかり自律神経が乱れるきっかけになる恐れがあるので要注意です。
不規則な生活習慣
偏った食事や睡眠時間がバラバラ、頻繁な夜更かしなど「不規則な生活習慣」が自律神経の乱れに繋がる場合もあります。
ジャンクフードばかりで栄養素が偏っている、食事の時間が決まっていない、夜型の生活を送っているなど当てはまっているものがあれば注意が必要です。
このような不規則な生活習慣は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなる可能性があります。
ホルモンバランスの乱れ
自律神経失調症は、実は男性よりも女性の方がなりやすいと言われています。
その理由は女性ホルモンに関係しています。
男性ホルモンは安定性が高いのですが、女性ホルモンは毎月の生理・妊娠や出産・更年期・閉経など、一生のうちに複雑な変化を繰り返していますよね。
そのような特性を持っているので、男性よりも女性の方が自律神経のバランスを崩しやすいのです。
特に更年期には女性ホルモンが激減するので、ホルモンバランスの不調から自律神経が乱れる恐れがあります。
自律神経を整える6つの習慣
スマホを見る時間を減らす
自律神経を整えるために、まずはスマホを見る時間を減らしましょう。
スマホは私たちの生活には無くてはならない必需品となっていますが、実は自律神経にとってさまざまな影響があるのです。
たとえば、ニュースやSNSなどネット上には膨大な情報があるため精神的に悪い刺激になってしまう、スマホをずっと見ていることによって姿勢が悪化する、眼精疲労や頭痛が発生するなど、スマホを見る時間を減らした方がいい理由はたくさんあります。
スマホを1時間以上使用する場合は、適度に休憩を挟んだりマッサージやホットアイマスク、体操をしてなるべく体を動かすようにしましょう。
生活習慣を見直す
自律神経を整えるために一番大切なのは生活習慣を見直すことです。
十分な睡眠をとる、起床や就寝時間を決める、朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる、ジャンクフードは控えてバランスの良い食事を摂るなど、改善できるところがあれば少しずつ生活を正していきましょう。
正常なリズムのライフスタイルに戻すことは、身体のリズムを整えることにも繋がります。
適度な運動を継続する
適度な運動は自律神経を整える上でとても大切です。
ハードな運動よりも、程よく交感神経を活性化させるようなウォーキングや軽いジョギングがおすすめです。
運動が苦手でできない人は、家の中でもできるストレッチや体操を取り入れてみましょう。
大切なのは「適度な運動を継続する」ことなので、あまり意気込みすぎず週3〜4回は運動できればOKと考えましょう。
リラクゼーションを取り入れる
HSPの方はストレスが溜まりやすいので、一日の終わりに自分を労わり、心身をケアしてあげることが大切です。
そこでおすすめなのは、読書や音楽、瞑想やヨガ、アロマ、マッサージなどのリラクゼーションを日々の生活の中に取り入れること。
自分だけのゆったりとした時間を過ごすことが、HSPさんにとって一番のストレス解消になるはずです。
また、シャワーだけで済まさずにゆっくり湯船に浸かることもストレスや疲労が緩和されるのでおすすめです。
腹式呼吸を意識する
ゆっくりと深い腹式呼吸をすると、副交感神経が優位に働きリラックス効果があると言われています。
腹式呼吸のやり方は、「お腹を膨らませるイメージで鼻からゆっくり息を吸って一度息を止める、10秒くらいかけてゆっくり口から息を吐き出しお腹をへこませる」だけなのでとても簡単です。
この方法を3回ほど繰り返しましょう。
ストレスで交感神経が高まっているときは、ぜひ腹式呼吸を意識してみてくださいね。
ストレスの原因を考えてみる
向き合うべきストレスをはっきりさせるために、現在ストレスを感じている事柄を紙にリストアップするとよいでしょう。
パソコンやスマホに入力するよりも、手を動かして紙に書き出すことで頭の中がすっきりと整理されて心が安定するはずです。
そして、そのストレスを解消するためにどんなことができるのか考えてみましょう。
自分だけで解決できないようなストレスの場合、専門家やカウンセラーなど専門機関に頼ることも大切です。
まとめ
自律神経失調症は生活スタイルや環境を変えることで症状が改善される可能性があります。
十分な睡眠、栄養バランスの良い食事、適度な運動を取り入れることから始めましょう。
しかし、いきなり生活習慣を変えることは難しいと思いますので、「今週は食事を改善する」などできることから一つずつ挑戦することがおすすめです。
ぜひ、自律神経を整えるための習慣を試してみてくださいね。
症状が改善しないときは、自分だけでどうにかできると判断せずに医療機関に相談しましょう。
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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