倒壊の危機…炭鉱の島を襲う台風と戦う日本最初の高層鉄筋コンクリート!どうなる「軍艦島」
東シナ海にポツンと浮かぶ「軍艦島」。
長崎県長崎市に属するこの島は正式名称を「端島(はしま)」といい、現在は無人島になっています。
1810年、当時の佐賀藩が炭鉱を発見。
その後80年経ち、1890年に三菱社が本格的に炭鉱産業へ参入しました。2017年8月に船から見た
通称「炭鉱の島」ともよばれ、炭鉱事業関連の労働者「炭鉱夫(たんこうふ)」が増加。
1916年に竣工した日本最古の鉄筋コンクリート造アパート「30号棟」のほか、317戸のマンモスアパート「65号棟」、3~10階建ての高層アパート、学校や体育館などが次々と建設されています。
パチンコ屋や映画館などの娯楽施設も充実しており、三菱社が主催する運動会の開催もあったようです。
エネルギーの主役が石炭だった1960年頃には人口が約5,000人以上、人口密度は東京都の約18倍にもなりました。
しかし、全盛期であった1960年代を超えると、エネルギーの主役は石炭から石油へと推移。
5,000人を超えていた島内の人口は、14年ほどで半数を下回る約2,000人にまで減少しました。
そして、1974年1月15日に閉山。
その後、しばらくは立ち入りが禁止されていました。
2009年4月より安全基準を満たした場合には島への上陸が許可され、島内の観光や見学ができるようになっています。
ただし、建物内への立ち入りはできません。
また、2015年には「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつとして世界文化遺産に登録されました。
しかし軍艦島は立地上、常に台風の被害に遭う危険にさらされており、毎年少しずつ島内の建物が破壊されつつあります。
いつ建物が倒壊してもおかしくない状態です。
ただ、保全活動に取り組んでいる方もたくさんいます。
少しでも長く現状を維持し、日本の炭鉱時代を支えた人たちの軌跡を伝え続けてほしいものですね。
軍艦島をもっと知りたい方は、「軍艦島デジタルミュージアム」にも足を運んでみてくださいね。
■軍艦島デジタルミュージアム
【住所】長崎県長崎市松が枝町5-6