新入社員のみなさんへ:叱られ上手になろう
「叱られ上手」になれば、あなたは新入社員の中でも一歩前に進めます。
■新社会人のみなさん、おめでとう
大丈夫。今まで頑張ってきたあなたは、職場でもきっと上手くいくでしょう。仕事は楽ではありませんが、地獄ではありません。
部活だって、入試だって、就活だって、楽ではなかったはずですが、あなたは乗り越えてきました。そしてしばらくたてば、「部活きつかったけど、楽しかった」などと思っているはずです。
今までの学校でのサークル活動や実行委員会の活動などと、会社での仕事は、基本的には変わりません。ただ、今までは練習でしたが、これからは本番になります。
■生産する・お金をもらう
子ども時代、学生時代は、消費生活です。お金を払い、お客様として生活してきました。でもこれからは、生産者です。お金をもらって活動します。それは、今までと違いますね。でも、あなたはこれから何かを生み出していきます。この社会を支える側にまわります。
あなたが、次の社会を作っていくのです。
ただ、入社してしばらくは修行時代が続くでしょう。
■現代の新入社員
リクルートの調査によれば、「あなたはどんな職場を求めていますか?」という質問に対して、5割の新入社員が「互いに助け合う職場」と回答しています。その次は「アットホーム」「なんでも意見が言い合える」。そして「活気がある」「互いに個性を尊重する」などと続きます。
新入社員の皆さんは、自分が受け入れられることを願っているようです。
「あなたが上司に期待することはなんですか?」という質問に対しては、次のような回答があります。
回答のトップ3は、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」「好き嫌いで判断しないこと」です。
みなさん、優しい上司を求めているようです。
そして不安に感じていることは、「仕事についていけるか」「先輩・同僚とうまくやっていけるか」「自分が成長できるか」でした。
<今年の新入社員は何を求めているのか?:リクルート新入社員調査>
■厳しい上司は不必要?
パワハラ上司はお断りです。今は、そんな時代ではありません。新入社員だって、自分の人権を守らなくてはなりません。けれども、社員はお客様ではありません。新入社員のみなさんも、仕事ができるようになりたいし、成長したいと思っていることでしょう。
あなたの今までの人生では、どうだったでしょうか。人権侵害をする大人がいては困りますが、時に厳しく指導してくれる人もいたはずです。そのおかげで、みんな成長してきました。
部活やサークル活動などで、だらだらと活動するのではなく、「目指せ全国!」とか「学園祭を成功させよう」と厳しい雰囲気の中で活動もしてきたでしょう。
上司も、部下のことを思っています。中間管理職の人と話をすると、まるで学校の担任や生徒指導の先生のように、新入社員のことを思っている人もたくさんいます。上司も新入社員の成長を願っています。新入社員も、必要な厳しさなら受け入れましょう。
■叱られ上手になろう
楽しいおしゃべりや、褒めてくれることは、OKですね。でも仕事を覚え、成長するためには、時に叱られたり、厳しく指導されることも必要でしょう。
最近見られる新入社員で、叱られるとそのまま出社しなくなってしまう人もいます。そもそも失敗すると、叱られる前にそのまま辞めてしまう人までいます。
少し叱られただけで、うつむいて黙り込み、ガタガ震え始めてしまう新入社員もいます。叱られると、ふてくされたり、逆ギレする新入社員もいます。
上司もプロですから、上手に指導しなくてはならないのですが、少し厳しくしただけでこうなってしまえば、指導する気力も失う上司もいるでしょう。
あなたが仕事を覚えるために、成長するために、叱られ上手になりましょう。
■叱られ上手とは
上司がきちんと叱ってくれているのなら、上司はあなたの人格を否定しているのではなく、あなたの行為を否定しています。上司がきちんと叱ってくれているのなら、あなたを潰すためではなく、あなたの成長を願っています。
叱ることはエネルギーのいることです。そのエネルギーをあなたのために使っています。
厳しい上司は、たいていの場合、仕事熱心な人です。叱られて小さくなって消極的になると、やる気がないように見えるので、さらに叱られます。
叱られた内容をしっかり聞きましょう。目を上げて、返事をしましょう。目を上げて、「すいません」「はい、わかりました」と口を開くと勇気が湧いてきます。相手がこちらの説教を理解してくれていると感じると、説教が必要以上に長くなることがありません。
しっかり説教を聞く、反省の気持ちを表す、そして萎縮せず積極的に行動していく。こういう叱られ上手は、厳しい上司からも気に入られます。面倒を見てもらえます。新しい経験をどんどんさせてもらえます。こうして、あなたは仕事を覚え成長していくでしょう。
■しばらく過ぎれば
最初はお互いに緊張感があります。新入社員は不安もあります。泣きたくなることもあるでしょう。でも、上司達も新入社員の時は同じでした。先輩達も、同様です。
新入社員の時は、叱られた、ヘマをした、頼りなかった。そんなあなたも、しばらく過ぎれば、会社の皆さんと良い人間関係が持てるようになるでしょう。厳しい面もあるけれど、冗談を言い合えるような仲間にもなるでしょう。
そして、今度はあなたが先輩になり、上司になり、会社を動かし、社会を作っていくのです。あなたのこれからの活躍を期待しています。