Yahoo!ニュース

しぶんぎ座流星群が1月3日深夜にピーク!見るべき方角は?時間は?天気は??今年最初の流星群を解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
しぶんぎ座流星群の放射点(画像提供:国立天文台)

1月3日(金)の深夜から4日(土)の明け方にかけて、2025年最初の流星群である「しぶんぎ座流星群」がピークを迎えます。今年は月あかりの邪魔がないという好条件です。

流れ星を見るにはどの方角を見るべきか、また見やすい時間や各地の天気も含めて、気象予報士・星空準案内人の資格を持つ筆者が解説します。

しぶんぎ座流星群とは

流れ星は年間を通して見ることができますが、なかでも特に集中的に流れ星を見られるタイミングが年3回あり、三大流星群と呼ばれています。

「しぶんぎ座流星群」はその1つで(あとの2つはペルセウス座流星群とふたご座流星群)、毎年12月の終わり頃から見える数が増え始め、1月初旬にかけてピークに。

ちなみに「しぶんぎ座流星群」という名前は、流れ星の放射点が、かつて存在した「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座付近であることに由来し、現在の星座で言うと「うしかい座」と「りゅう座」の境界付近に当たります。

どの方角を見るべき?

ネットやテレビで流星群の話題が出るとき、放射点(今回の場合、うしかい座とりゅう座の境界付近)のあたりを見るべき、という説明がされることがありますが、これは厳密には正しくありません。

というのも、実際には地球からかなり離れた放射点から地球全体に向かって散らすように放射されるわけですから、地上で観測するには「空全体を見る」のが一番効率がよいのです。

そのため、できるだけ多くの流れ星を見るには、空全体をぼんやり見渡すようにして、もし街あかりなどで明るい方角がある場合には、できるだけ暗い側を見るようにしましょう。

ピークの時間は?1時間に何個くらい見える??

今回、流星群の極大は1月3日から4日に日付けが変わる頃ですが、このタイミングでは放射点がまだやや低い場所にあり、4日明け方にかけて放射点が上がってくるにつれて流れ星が見やすくなっていきます。

とはいえ、夜が明けてしまうと空が明るくなって星自体が見えなくなってしまうので、4日午前2時頃~5時頃が最大のチャンスです。
なお、実は「しぶんぎ座流星群」は流星の個数が予測しづらい流星群なのですが、この時間帯であれば、おおむね1時間30個程度見えると推測されています。

各地の天気は

3日未明の天気分布予報(気象庁HPより)。
3日未明の天気分布予報(気象庁HPより)。

1月3日夜~4日明け方にかけては、太平洋側ではおおむね晴れて、日本海側でも九州北部や山陰の一部は晴れ間がありそうです。
関東は沿岸中心に雲がかかりやすいでしょう。

4日明け方の天気分布予報(気象庁HPより)。
4日明け方の天気分布予報(気象庁HPより)。

北陸から北の日本海側では多くの流れ星を見るのは難しいかもしれませんが、この時期は火星や木星がかなり明るく見えます。
火星は南~南西の空高く、木星は火星よりやや低い高度で南西~西の空に見え、現在地球に近いところを通っているため1等星より明るいくらいなので、たとえ雲の合間からでも見えそうです。ぜひ空を見上げてみてください。

※筆者のプロフィールからフォロー(リンク先の「+」のボタン)していただくと、日々の天気や防災、テレビではなかなか話せない気象予報の裏側を書いた記事を逃さず読むことができます。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

植松愛実の最近の記事