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『NHK紅白歌合戦』はもう古い…『NHK47都道府県歌合戦』の提案

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
紅白歌合戦に「ゆずクマムシ」で登場する「クマムシ」(写真:毎日新聞デジタル/アフロ)

KNNポール神田です!

NHKの紅白歌合戦の楽曲が発表となった…。

http://www.nhk.or.jp/kouhaku/artists/

しかし、なぜ2015年の大晦日の、あの「紅白歌合戦」でこの楽曲を聞かなせられなきゃならないのかが不思議な曲が今年はさらに満載なのである。

■誰がこの曲とアーティストを選んでいるのか?

郷ひろみ 2億4000万の瞳

ゴールデンボンバー 女々しくて

近藤真彦 ギンギラギンにさりげなく

TOKIO AMVITOUS JAPAN

細川たかし 心のこり

美輪明宏 ヨイトマケの唄

森進一 おふくろさん

高橋真梨子 五番街のマリーへ2015

松田聖子 赤いスイートピー

和田アキ子 笑って許して

個人的なセレクトで申し訳ないが、紅白歌合戦で、なぜこの歌手、この曲が選ばれたのかのホントの理由が知りたい。

■すでに時代錯誤な「紅白歌合戦」

ボクは、こうもいいながら、毎年「紅白歌合戦」を録画して観ている大ファンだ。あのNHKの局の中の運動会と文化祭が一緒になったような、あの緊張感はすさまじい。裏方の罵声まで含めてNHKの本気度がわかる。しかしだ。見せられている側からすれば、もうマンネリで、アドリブも入らない緊張感だらけのお祭りはつまらなくなってしまっている。さらに、楽曲が売れなくなり、歌番組もわずか…。もう昭和時代のような国民的な大ヒットは生まれようがなく、歌のランキングもニッチで知らない楽曲だらけとなってしまった。

さらに、女性を「赤組」男性を「白組」とし、男女で唄を対抗するというのも、この「LGBT」が社会現象化しているこの時代には完全にふさわしくない。「ピンク組」も応援コーナーではなく、真剣に考えるべき時代になっているのだ。むしろ、この紅白歌合戦の「紅白」のフォーマットをそろそろイノベーションする時期だと考えている。ぜひ、NHKの経営委員会の皆様、真剣に討議してみてほしい。

■ネット時代の「NHK47都道府県歌合戦」案

すでに、男女別でどちらが勝とうが、どちらでもよくなっている。そんな「紅白」よりも、日本で生まれた人ならば、日本の47都道府県のどこかで生まれたはずだ。生まれ育った場所、現在いる場所、嫁いだ場所。大晦日で帰省して実家で正月を過ごす時の国民的番組であれば、「47都道府県」別で「歌合戦」すればよいのではないだろうか?。それだけでも地元にいながら地元愛で盛り上がれるはずだ。そして自分の属する地域の歌手を知り応援することもできる。

フォーマットは、47都道府県から県民の選んだ歌手が登場する。

さらに、各地方自治による都道府県のアピールによる応援合戦も行われ、それも審査対象とするのだ。

地方の名産から訴求ポイントと一緒に都道府県のお国自慢大会となるのだ。

大事なのは、大晦日だけでなく、「高校野球」のように予選大会が重要なのである。

もちろん、県出身のタレントはノミネートされるが、YouTuberのような素人もオーディション参加できるようにすれば、チャンスは広がる。「◯◯県では、プロのベテラン歌手が高校生YouTuberに負ける!」なんてことがヤフー!ニュースに掲載されるのだ。

■県民をあげて予選からSNSで盛り上がる歌合戦

この企画のポイントはNHK支局もあわせて予選大会から放送できるところがミソとなる。

NHKのこの資産をフル活用できるのだ。

47都道府県を完全網羅のNHK
47都道府県を完全網羅のNHK

http://www3.nhk.or.jp/toppage/zenkoku/

自治体協力で、ノミネートアーティストを選び、インターネット上で投票する。これは閑散期の選挙対策本部を総務省マターで動かすといいだろう。

YouTubeやfacebook、twitter、instagram、LINE、niconico、pinterestなども含めて、各自治体ごとに、在住や出身地のアーティストのページでSNSサイトをまとめる。これだけで非日常な国政選挙の時の候補者のSNSフォーマット化が日常で誰もが職員レベルで作成できるようになるだろう。ネット選挙の本丸の「ネット投票」時代を牽引することもできる。

NHKの番組の予選だけれども、アーティストのSNSなどの連携で、地域のアーティストの発掘と「ふるさと納税」ならぬ「ふるさとアーティスト」を支援したくなる想いも募れるだろう。

■海外インバウンド客にむけての地域宣伝

そして、大晦日の「47都道府県歌合戦」の目玉は、都道府県別の応援型のプレゼンテーションだ。どの地方自治体も観光課から選挙対策本部から広報課から少子化対策課、などの大横断的なプロジェクトで自分たちの「県」をアピールすることができる。当然、海外観光客向けのインバウンド情報も満載にすることができるだろう。NHKの紅白歌合戦の後番組で、地元をアピールできる機会なのだからチカラも入ることだろう。

2016年から「47都道府県歌合戦」をやれば、東京オリンピック開催の2020年まで、あと4回も開催できるとするとかなり、それだけでもアイデア予選大会とかも、地域をまとめてイベント化し、予選大会には地元の広告は入れることが可能とかにすれば地域の活性化にもつながるだろうし、NHKの支局でも事業局収入が増え、NHKの歳出低減に貢献できるのではないだろうか?地元企業だけのスポンサードにすることによって全国レベルのアピールができる。広告としてではなく広報としての社名だ。このあたりもNHKの企業名に対する考え方をこれは広告にあたるかあたらないかを常に考えさせるいい機会となる。

何よりも、海外での放送や番組のスピンアウト企画から、予選大会まで考えると、県の観光、グルメ、名産、特産、レジャー、ゆるキャラまでを年間の予選をとおして総動員できる。

そして、県の予選を勝ち残ったアーティストと、自治体プレゼンテーションが大晦日のハイライトとなる。

地方創生の交付金を4200億円をかけなくとも、NHK紅白歌合戦の予算たったの3億円で地方創生のメディア露出が図れるのだ。

こう考えるとNHK紅白の予算3億円が安く思えてきた。

ぜひ、NHKの経営委員会のみなさんは、何も生み出さない「NHK紅白歌合戦」の代替案として、ぜひ検討していただきたい。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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