成人の睡眠時間は平均で男女とも6時間半
体質や生活習慣、労働環境など多種多彩な要素により、一人ひとりの適切な睡眠時間は異なる。他方現代人は多忙さなどから寝不足感が強いとの話もある。現在の成人における睡眠時間の実情を厚労省の「国民健康・栄養調査」の結果から確認していく。
成人男女の一日における平均睡眠時間を時間区分毎に比率で示したのが次のグラフ。男女とも30~40代あたりまで赤系統(=睡眠時間が短い)の面積が増え、それ以降は減少していくことから、その年代までは睡眠時間が減少傾向にあり、それ以降は再び増加していくのが分かる。
一番短い仕切り分けとなる、もっとも赤さの濃い「5時間未満」の部分をだけを見ても、男性・女性共に40代が最多数値。
とはいえ、このグラフからは「どの睡眠時間帯層にどれだけの人がいるのか、またその変移」は把握できても、全体的な睡眠時間の動向は多少把握しにくい。そこで各時間区分の中央値(両端はそれぞれ他の階層と同じ時間の足し引きとなるように。具体的には4.5時間・5.5時間・6.5時間……)を用い、概算的な平均値を算出したのが次のグラフ。
縦軸の下限がゼロでは無く5.4時間であることに注意。この限りにおいては、男性・女性共に40代で睡眠時間が一番短くなり、それ以降は漸増する動きを見せている。「お年寄りほど睡眠時間が長い」(朝は早いが)との経験則は間違いではないことが確認できる。
また「国民健康・栄養調査」では3年おきに睡眠時間に関する計測を行っており、前回の値は2011年分となる。そこで今回の2014年分と合わせ、同様の計算方法で算出した平均睡眠時間について、性別・年齢階層別に並べたのが次のグラフ。
一部の属性で例外が出ているが、男女の総数を合わせ、ほぼすべてで睡眠時間が短縮されている。違いはごくわずかではあるが、減っていることに変わりはない。これが中長期的なものか、今後の計測結果を追う必要はあるが、特定の年齢階層だけならともかく、ほぼすべての階層で起きている点には、大いに留意を払いたいところではある。
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