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【河内長野市】「21歳拳で」とは?ネットで話題となっている聖地・鳴尾公園。その意外過ぎる読み方も紹介

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の図書館など市の関係施設に行くと「楠公さんを大河ドラマに」ということで署名活動をしていますね。これを実行している背景には、大河ドラマを通じて河内長野の町を全国に知ってもらおうという狙いがあります。

図書館にある大河ドラマ誘致の署名のコーナー
図書館にある大河ドラマ誘致の署名のコーナー

一昨年公開の映画「鬼ガール」も同様で、メディアを通じて河内長野の存在を知ってもらい、多くの市外の人に訪問してもらおうと、市一丸になって観光誘致の努力を行っています。

映画やドラマなどのメディアがヒットすれば、作品の舞台として聖地化したものが認知され、それが新たな観光地となります。

映画「鬼ガール」の元になった鬼住橋
映画「鬼ガール」の元になった鬼住橋

しかし、そんなマスメディアに加え、今ではYoutubeに代表される個人の動画の存在も大きくなりました。その中には人気動画が撮影された場所が、マスメディア同様に聖地化するということも起こりつつあります。

河内長野市内にある公園で撮影された一本の動画がきっかけで、若い男性を中心に、今もネットで大きな話題となっています。それは「21歳拳(こぶし)で」と呼ばれるもの。いったいこれは何のことでしょうか?

これは河内長野市内にある公園が舞台となった動画で、正式には「拳で抵抗する21歳」と呼ばれるもの。日時は2017年9月21日に、ツイッターに張り付けられた動画で初めて世の中に出てきたそうです。

それが4年経った今や、21歳の誕生日を迎えた若者たちがこぞって、SNSに「21歳、拳での年になった」とアップするほどの知名度になっています。

それでは、動画はどのようなものでしょうか? 公園でボール遊びをしている少年たちと、そこに居合わせた21歳の青年とのやり取りがおもしろいと話題になっているのです。

展開としては、最初に公園でボール遊びをしていた少年たちが、ボールをそらしてしまいます。そのボールは、青年の前まで転がりました。青年は拾って少年たちに返してあげようとします。ところがコントロールが悪く、ボールを投げると全く関係ないところに飛んでしまいました。

そのことで困った少年たちが、青年に絡んでいくところから動画が始まっています。本当はこの場で貼り付けたいのですが、いろんな制約上で、それはできません。代わりに小説風にストーリーを書いてみましょう。

少年たちが戸惑いながら、青年に「お前が投げただろ」と詰め寄ります。青年は手が滑った非を認め謝ります。ところが少年たちは、遠くに行ってしまったボールを青年が取りに行くべきだと言いました。しかし青年はこれには納得しません。

少年たちは「責任をとれ!」となおも詰め寄りますが、青年は「そのボールは君たちのものだ。俺がそこまでする理由はないし義務もない」と反論します。

少年たちは「義務はある」といい、青年に対して「お前のチャリ(自転車)を畑に投げ捨ててもいいのか?」と言い出します。

すると青年は「なら抵抗する」とつぶやくと両手を合わせて手の指を鳴らして威嚇します。少年は少し驚きながらも「どう抵抗するつもり」と聞くと、青年は大きく前に踏み出し「拳で」と言って拳を作りました。

これを見た少年は「怖い」と笑いながらいいます。なおも取ってほしいという青年は拒否。ここで誰かが「何年生」と青年に尋ねると「21歳」ときっぱり。

少年たちはここで思わず「かっこいい」と青年を誉めたたえますが、青年は突然少年たちが撮影していたカメラを取り上げようと実力行使、少年たちは逃げながら「危ない、それはアカン」と言って終わります。

ざっとこういう流れで動画が進みます。もし動画を見たいときには「21歳拳で」と検索すればいっぱい出てきますので、そちらをご覧ください。(3分くらいです)。

21歳の成人が、少年相手に理詰めの議論を仕掛けるだけではなく、ついには手にこぶしを握って力で威嚇してしまうというやり取りが、瞬く間にネットで広がりました。

こうして思わぬ形で河内長野にある公園が、21歳を迎える青年たちにとっての「聖地」となったのです。

また公園の口コミなどを見ても面白いものばかり。

普通の公園なら「こういう花が有名」「子どもの遊び場がある」「トイレがある」「駐車場が」といった書き込みになると思うのですが、この公園は「21歳拳で」にまつわるコメントばかりが並んでいるのですから、動画の影響力の大きさがわかります。

「21歳拳で 記念公園」ともいわれているようですね。

ところで「21歳拳で」の舞台となっている公園ですが、これは南海千代田駅から徒歩9分にある鳴尾公園。この鳴尾公園、一見どこにでもある小さな公園ですが、だんじりのことなど歴史的な由来があり、また桜の名所ですが、今回は話がややこしくなるのでそれには触れません。

それ以上に驚くのは恐らく近所の人やこの地域に詳しい人でないと読めないのが公園名。鳴尾と書けば普通は「なるお」無理すれば「なるび」「めいび」くらいに読めなくはありませんね。

ところが、鳴尾を「どんど」と読むと聞いたときには、本当に驚きました。南河内地域にはこういう漢字と呼び方が一般的ではない難解な地名が数多くあります。

とはいえ、ネットで話題・聖地となった公園の名前は、読み方も普通はわからない、非常に困難というのは面白いですね。

鳴尾公園
住所:大阪府河内長野市木戸2丁目31-24 
アクセス:南海千代田駅から徒歩9分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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