2023年7月にウクライナ兵がロシア軍のドローン迎撃銃に迎撃されないで監視・偵察ドローンを飛行させるトレーニングの様子を英国メディアのTimes Radioが報じていた。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。

今回のウクライナ兵の訓練は監視・偵察ドローンをロシア軍に迎撃されないで最前線で正常に飛行させて、ロシア軍の状況を上空から偵察することを目的にしている。そのため監視ドローンを飛行させるチームと、ドローン迎撃銃で迎撃するチームに分かれて訓練を行っている。訓練に参加していたウクライナ兵は報道の中で「敵軍のドローン迎撃銃からドローンを守ることは最前線で命を守ることになりますので、とても重要です」と語っている。

上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害（ジャミング）してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル（soft kill）"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破させる、いわゆる"ハードキル（hard kill）"がある。今回のウクライナ兵のトレーニングでは、電波を妨害してドローンを機能停止させる"ソフトキル"のドローン迎撃銃を用いている。

ドローンは攻撃用も監視用も探知したらすぐに迎撃して破壊してしまうか、機能停止させる必要がある。監視・偵察ドローンは攻撃をしてこないから迎撃しなくても良いということは絶対にない。監視・偵察ドローンに自軍の居場所を察知されてしまったら、その場所にめがけて大量のミサイルを撃ち込まれてしまい大きな被害を招きかねないので、監視・偵察ドローンを検知したら、すぐに迎撃して爆破したり機能停止させたりする必要がある。

そして監視・偵察ドローンを敵軍に見つからずに飛行させながら、上空から敵軍の様子を監視・偵察することは非常に重要なミッションである。

▼ドローン迎撃銃に迎撃されないでドローンを飛行させる訓練を受けるウクライナ兵を伝える英国メディア