オオカミ少年は死なず ~民主主義は何度死んだか~
特定秘密保護法が成立しましたね。
この法案を巡っては、反対論陣を張ったメディア、特に朝日新聞と毎日新聞が批判的な報道を連日繰り返していましたが、法案成立時に毎日新聞は「民主主義死す」とまで題した見出しをつけています。
民主主義が死んだとは穏やかではありませんね。本当に民主主義が死んだのであるならば、メディアによる政府批判や、私のような一介のブロガーが呑気にブログ書いてたりは出来ないと思うのですが、「民主主義が死ぬ」というフレーズは、昔から色んな政治家が、揉めた法案がある度に発言していた記憶があります。
そこで、平成以後に国会議員が発言した「民主主義の死」に類する発言をいくつかピックアップしてみました。(肩書はいずれも発言時)
皆さん、軽々しく民主主義を殺しすぎですね。もう20年以上前のもあるんですが、死者に鞭打ちすぎだと思います。
さて、このように「民主主義の死」と煽る人物に共通するのは、代議士制における民主的意見集約手段である選挙結果を無視し、審議の打ち切りと強行採決を持ってして「死んだ」「死ぬ」と言っている点ですが、民主党が与党時代に強行採決を繰り返した事は周知の通りですし、社会党の田辺委員長に至っては、PKO法案を巡り2回も「民主主義の死」を発言していますが、その後に社会党は自社さ連立政権を組むにあたり、自衛隊合憲・PKO派遣も認めるように方向転換しました。「民主主義は死んだ」と抜かす人に限って、民主主義を「殺す」側に入る事には躊躇しないのはどういうことなんでしょうか。
今回の秘密保護法を巡っては、反対論陣側はいたずらに危険性を煽り立てるものばかりで、法案そのものを完全否定するあまり、法案が抱える問題点そのものの議論が尽くされず、非常に残念なものとなりました。もっとも、法案は改正することが出来ますし、今後に非自民党政権が成立する可能性だって十分ありますから、その際に改正を議論してくれれば良いと思います。しかし、過去に「民主主義の死」を連呼したオオカミ少年たちが、その後に民主主義を殺して回った事実を見ますと、あまり期待できそうにないなあ、と暗澹たる思いです。
※この記事は、dragoner.ねっと「オオカミ少年は死なず ~民主主義は何回死んだか」のYahoo!ニュース向け転載です。