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人前で緊張するのは「社交不安症」のせい?どんな場面で起きるのか解説!

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

人前で話をすると緊張したり、恥ずかしくて顔が赤くなったりする人はたくさんいるかと思います。

しかし、社交不安症では、こうした症状が強く出たり、日常的な会話のシーンでも慢性的に表れたりするようになります。

ひどくなると、職場や電車の中などでも、常に他人の視線を気にするようになり、赤面したり、震えたりするなどの症状に悩まされます。

しかし、病気だと認識されて間もないことから、周囲からは理解が得難い場合もあるため、ますます患っている本人を苦しめてしまいます。

そこで、今回は重症なあがり症とも言える「社交不安症」について解説したいと思います。

「社交不安症」を知っていますか?

社交不安症は、スピーチをする、発表するなど人前で何かをしなければならない場面で、極度に緊張し「失敗したらどうしよう…」と強い不安を抱きます。

顔が赤くなったり、声が震えたり、動悸がしたり、汗をかいたりなど程度はさまざまですが、不快な症状が表れます。

さらにその様子を他人から見られることで、さらに動揺し、自信を失い自己嫌悪に陥ってしまうことがあります。

多くの方は、「気合が足りないだけ!次こそは頑張ろう!」と気持ちを奮い立たせて克服しようとしますが、気力だけでは恐怖を乗り越えることは難しいものです。

また、気力が尽きてしまうと周囲に苦しさを訴えることもできないまま「引きこもり」のような重症例に発展することがあるため、注意が必要です。

どんな場面で症状が表れる?

社交不安症は人の視線に対して強い恐怖を感じ、思ったように行動ができず、日常生活に支障をきたしてしまいます。

では、主にどのような場面で症状が強く出るのでしょうか?

・スピーチ恐怖

結婚式の披露宴や学校の授業で行われるスピーチは、社交不安症の人にとっては、本当に苦痛なものです。

普通の人がユーモアを交えて人前で発表しているのを見ると、どうして自分にはできないのだろうか…と悩んでしまうこともあります。

スピーチ恐怖の克服方法としては、認知行動療法の一つである暴露療法を行います。

まず、恐怖に感じていることが自分だけの思い込みであることを学習し、恐れている状況へ恐怖感の少ないことから段階的に挑戦していきます。

たとえば、まずは家族の前でスピーチをする、次は友人の前で、その次は会議で…というように段階を踏むことで成功を目指します。

・書痙(しょけい)

字を書く時に人に見られていると、手が震えて字が書けないという症状があります。

以前は、性格的なもので、気合いなどで克服すべきものとされていたようですが、精神力や心がけでは改善しない人が多いため、社交不安症の一つと考えられるようになりました。

字を書く時に症状が出るだけではなく、お酒を注ぐ際やコーヒーに砂糖を入れる際に手が震えるという方も多くいます。

・場面緘黙(ばめんかんもく)

自宅などくつろいだ状況では普通に話せるのに、学校などたくさんの人が集まる場所では、全く発声ができなくなってしまうことがあります。

この症状が表れると、本来持っているさまざまな能力を発揮できなくなってしまう恐れがあります。

また、「わざと話さない」「二重人格」などと周囲から誤解されてしまうこともあるため、注意が必要です。

周囲の対応はどうすれば良い?

本人は人前に出たいのに出られないことを深く悩み、自己嫌悪に陥っていることが少なくありません。

無理矢理、人前に出そうとするとますます自信を無くし、本人を追い込んでしまうことになります。

また、「気が弱いせいだ」などの理由で、訓練をしたり厳しい態度で臨んだりするのも逆効果となります。

治療には時間がかかることが多いので、自発的に人前で何かをしたいと思うまで、見守ってあげる姿勢が大切です。

以下が心がけてもらいたいことです。

・無理に人前に出そうとしない

・見守る

受診の目安は?

外出困難や引きこもりなど、生活に支障が出ている場合には、早めに精神科や心療内科を受診することをオススメします。

しかし、社交不安症を患っている人が受診にいたるまでには、大きな壁があります。

それは、この病があまり認識されていないということと、初対面の医師や医療関係者に会うことが苦手だと思っている方も少なくなく、受診を回避してしまうことがあるからです。

治療方法としては、薬物療法と定期的なカウンセリングを行うことで症状の改善を図ることができます。

未治療だと、生涯にわたって症状が続くこともあるため、きちんと治療を受けることが望ましいと言えます。

まとめ

今回は人前で極度に緊張してしまう「社交不安症」について解説しました。

一般的に社交不安症を発症する人の傾向としては、厳格な家庭で育った方が多いとも言われています。

生まれ育った環境や親との関係性において発症の要因があるかもしれないということも、理解すべき点ではないかと思います。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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