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NY原油13日:年初来安値更新、需給緩和の長期化警戒

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NY原油13日:年初来安値更新、需給緩和の長期化警戒

NYMEX原油9月限 前日比1.07ドル安

始値 43.34ドル

高値 43.72ドル

安値 41.91ドル

終値 42.23ドル

特に目新しい材料などは見当たらなかったが、需給緩和の長期化警戒から戻り売り圧力が強く、年初来安値を更新した。

本日は原油需給に目新しい材料は見当たらないが、改めて戻り売り圧力が強くなっている。今週は国際エネルギー機関(IEA)が2016年まで需給緩和状態が続くリスクを警告しているが、石油輸出国機構(OPEC)の増産、イランの市場復帰リスク、シェールオイルの生産環境改善などが、需給緩和リスクを改めて高めている。加えて、本日は為替相場がドル高方向に振れたこともあり、売り安心感が強くなった。

チャート上では、年初来安値42.63ドル(3月17日)を下抜いたことも、トレンドフォローの売りを呼び込んでいる模様。ダウントレンドがなお継続中であることが明確に確認できる中、次は40ドルの節目割れが打診されることになる。この先は、リーマンショック後の最安値33.55ドルがターゲットになるが、いずれにしても価格低下による需給リバランスが要請されている以上、需給均衡化の目処が立つまでは戻り売り優勢の地合が維持される可能性が高い。仮に短期の相場反転があるとすればドル安になるが、足元ではそのドル安圧力も一服している。

なお、製油所トラブルで急伸していた石油製品相場も、本日は急反落している。製品相場主導で原油価格を押し上げるようなエネルギーはみられず、逆にガソリン相場はシーズンオフに向けて下げ幅を拡大している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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