電子レンジや洗濯機、テレビ、冷蔵庫…単身若年層世帯の耐久消費財の普及状況
一人暮らしの生活を始める際に、日々の生活には多種多様な耐久消費財が必要であることを再認識させられる。現在一人暮らしをしている若年層は、各耐久消費財をどの程度保有しているのだろうか。総務省統計局による全国消費実態調査から確認していく。
次に示すのは30歳未満の単身世帯における、主要な耐久消費財の普及率。一人暮らしであることから世帯主=当事者のみの世帯で、男女で大きく生活様式が異なる可能性があるため、男性と女性別々に集計を採り、数字をグラフ化している。
老若男女を問わず今や生活必需品となった電子レンジや冷蔵庫、洗濯機などは9割を超えており、男女の差もほとんど無い。電子レンジはまだ無くとも生活は不可能ではないが、冷蔵庫や洗濯機はかなり厳しい状況。もっとも洗濯機の場合は設置できない住居もあるため、近所のコインランドリーなどのお世話になるパターンもありえる。
ルームエアコンは男性5割強、女性6割強と意外に低め。扇風機の計測は今調査ではされていないが、エアコン非保有世帯は扇風機をはじめとした代替手段が確保されているに違いない。
身だしなみ方面を見ると、たんす、鏡台共に女性の方が普及率は高く、なるほど感を覚えさせられる。とはいえ、たんすですら女性でも3割、鏡台は2割に留まっている。ベッドも圧倒的に女性の方が実装率は高い。
スマートフォンの普及率は女性、従来型携帯電話は男性の方が高い。女性は95.7%とほぼ全員だが、男性は81.5%に留まっている。他方従来型は女性では1割を切っているのに、男性は1/4を超えている。似たようなデジタル機器としてはパソコンが想起されるが、デスクトップ・ノート共に男性の方が普及率は高め。特にデスクトップでは2倍以上の差がついている。カメラ(デジカメ含む)は女性の方が普及率は高く、7割近くとなり、男性の4割をはるかに凌駕している。
興味深いのは自動炊飯器や食器洗い機において、男性の方が普及率は高いこと。差異が1割に満たないので、誤差の範囲と見ることもできるが、若年層単身の場合自炊率は男性の方が高いのだろうか。またテレビは女性で9割を超えているが、男性では8割に届かない。男女のテレビに対する姿勢の違いが見えてくる。
エアコンやたんす、鏡台など一部でいくぶん低めな値が見受けられるが、30歳未満で単身世帯でも、大よその耐久消費財は実装されている。昔の若者の一人暮らしの環境でイメージされる、部屋の中にはほとんど何もなく、日常生活で色々と難儀させられるような環境は、昔の話であることが分かる。特に白物系の家電がほぼ揃えられている実情は、若年層のライフスタイルを考える上で知っておくべき話に違いない。
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