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新たな熱帯低気圧が発生し、日本の南を西進か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
低圧部の雲(ウェザーマップ)

グアム島近海で熱帯低気圧が発生へ

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像をみるとフィリピンの北部付近とフィリピンの東海上に大きくまとまった雲域があり、それぞれ低圧部と解析されています。(①②は筆者が命名)

低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定出来るようになると、台風のたまご、熱帯低気圧に名前が変わります。

気象庁が発表している予想天気図によると、低圧部①は今後フィリピン付近に到達し、あす12日(水)午後9時までには消滅する見込みです。

一方、低圧部②は今夜11日(火)午後9時までにはグアム島近海で熱帯低気圧となり、あす12日(水)にかけて東経140度線付近を北上する見込みで、その後、北緯20度付近から日本の南を西進する可能性が大きくなっています。

沖縄の南までは西進か

日本のモデルの予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
日本のモデルの予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は日本の代表的なモデルの計算ですが、新たに発生する熱帯低気圧はあさって13日(木)から14日(金)頃にかけて、沖縄の南付近へ到達する計算です。この頃までの動きは、他の多くのモデルでも比較的揃っている状態で、台風の勢力へ発達を見込む計算も目立ってきています。

そしてこのあたりから週末にかけての計算は大きくばらついており、かなり不確実性が大きくなっています。今のところ、そのままゆっくり西寄りに進む計算や台湾付近で動きが遅くなる計算などが目立っている状態ですが、なかには沖縄付近への北上を見込む計算もあり、さらに大きな強力な台風へ発達を見込む計算も散見されます。

当面沖縄方面は週末にかけて、新たに発生する熱帯低気圧の動きに注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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