世界水泳の開催地、韓国・光州は球界のスターを多数輩出 元メジャー投手はハンバーガー店を開店
現在、世界水泳2019が行われている韓国・クァンジュ(光州)。朝鮮半島の南西部に位置し、ソウルから高速鉄道(KTX)で約2時間、人口約146万人の韓国で6番目の規模の都市だ。
クァンジュは食文化が豊かなことで知られる。また野球界を代表するプレーヤーの多くがこの地で生まれていることも有名だ。
日本に馴染みのあるところでは1990年代後半に中日のクローザーとして活躍し、昨年まで韓国代表監督を務めていたソン・ドンヨル(宣銅烈)。そして同じく中日でプレーしたイ・ジョンボム(李鍾範)がクァンジュの出身だ。
また今年3月に引退を宣言し、先日ヤクルトの球団50周年イベントで来日した投手、イム・チャンヨン(林昌勇)もクァンジュ生まれ。3人とも地元球団・KIAタイガーズの前身、ヘテタイガースでプロのキャリアをスタートさせている。
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この他にも元メジャーリーガーのソ・ジェウン(徐在應)、チェ・ヒソプ(崔希渉)、キム・ビョンヒョン(金炳賢=元楽天)らもこの地で育った。この3人は国内プロを経ずにアマチュアからアメリカに渡りメジャーリーガーに。後に帰国し、いずれもKIAで韓国での選手生活を終えた。
アンダースロー投手として活躍し、オーストラリアでのプレーなどを経て、今年1月に引退を決断したキム・ビョンヒョンは今年、故郷のクァンジュで「光州一高」というハンバーガー店をオープンした。
市中心部に程近い、東区のクムナムロ(錦南路)4街駅近くの店は、入口入って左側がオープンキッチンになっていて、大きな鉄板でハンバーグ、バンズを焼く様子が見える。店舗の奥の空間には壁に黒板があり、学校の教室をイメージしている。
「第一バーガー」注文から約20分。オーダーを受けてから焼き始めたハンバーグはソースの味に頼らず、肉本来の味を生かしていた。レタスとトマト、そしてたっぷりのオニオンスライスが挟まれ、味はマスタードソースが主体でしつこさがない。セットメニューのフライドポテトも細切りで塩気が薄めの素朴な味だった。
店名の「光州一高」はキム・ビョンヒョンの母校・光州第一高校からとったもの。上記の元選手のうち、イム・チャンヨンを除く5人が同校の出身だ。光州第一高校はこのハンバーガー店から1km弱のところにある。
座席は30席程で注文はカウンター横のタッチパネルで行い、カード払いの場合はこの機械で決済が完了する。レシートが番号札になっていて出来上がると店内のモニターで知らせてくれる。
キム・ビョンヒョンは引退後、野球解説者を務めているが、現役時代の15年前から実業家としても活動。米・サンディエゴに寿司店とラーメン店、ソウル市内でタイ料理店を営み、今回のハンバーガー店で4軒目の経営となる。
ソウルから距離があり日本ではあまりなじみのないクァンジュ。しかし今回の世界水泳開催、そして最近ではクァンジュの西、バスで約50分のムアン(務安)空港に成田、関西、福岡からLCC(格安航空会社)の直行便が飛ぶなど、以前より身近になった。
世界水泳は21日から競泳の決勝が行われ、大会は28日まで続く。