記録的な暖冬 ここに用心
暖冬に泣き笑い
暖冬だと決まって取り上げられるスキー場の雪不足。冬の主な観光資源とはいえ、スキー人口がピーク時の半分となった今、影響はどのくらいあるのだろうかと首をかしげてしまいます。
雪不足が深刻とマスコミが取り上げれば取り上げるほど、客足が遠のき、関係者にとってはありがたくない話でしょう。
自戒を込めて、ステレオタイプな取り上げ方は慎まなくてはと思います。
一方で、好天に恵まれた三が日、初詣は各地で例年以上の人出となり、レジャー施設も賑わいました。いつもならば雪でクローズしてしまうゴルフ場も、暖冬ならば大丈夫とか。暖冬の影響はいろいろな場所に現れています。
インフルエンザの流行遅れる
8日発表された東京都インフルエンザ情報によると、12月28日ー1月3日の都内のインフルエンザ患者報告数は167人で、定点あたり0.43人と流行開始の目安である定点あたり1人を下回っています。
昨シーズンは11月27日に流行が始まるなど、年内に流行が始まる年が多いなか、今シーズンは全国的にも流行が遅れています。天気から考えると、12月の高温と多雨が影響しているのでしょう。
このまま流行せずに済めばいいのですが、過去、流行開始が1月にずれ込んだ2011年ー2012年シーズンは流行開始とともに患者数が急増しました。
また、今年と同じような記録的暖冬だった2006年ー2007年シーズンは1月28日に流行入りし、3月にピークを迎えるなど、例年とは違うインフルエンザシーズンでした。
受験生は気を抜かずに、用心してほしいと思います。
スギ花粉の飛散早まる?
スギ花粉の飛散開始日は記録的に早くなるかもしれません。
東京都のスギ花粉飛散開始日は例年、2月中ごろですが、記録的暖冬だった2007年は1月31日と観測史上最も早くなりました。天気ノートを見返すと、スギ花粉のピークが予想を外れて2週間も早まり、猛威を振るったとあります。
また、この年は2月14日バレンタインデーに全国で春一番が吹き、荒れ模様の天気となりました。青森県の八甲田山ではスキー客ら24人が雪崩に巻き込まれ、2人が死亡する痛ましい事故もありました。
春一番は毎年のように、気象災害を引き起こすけれど、暖冬の年は真冬でも低気圧が猛威を振るうことがあるので、気が抜けません。
【参考資料】
東京都インフルエンザ情報第6号(2016年1月8日発行),東京都健康安全研究センター