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【東近江市】明治から昭和初期にかけての引札、ちらし、写真など! 「能登川の引札」が現在開催中です

どうのるも地域ニュースサイト号外NETライター(東近江市・近江八幡市)

2024年7月20日から、東近江市能登川博物館では第146回企画展として「能登川の引札」が催されています。

どなたでも無料で楽しめるイベントであり、会期は2024年9月21日までとなっています。

お店の名前や取り扱う商品、住所といった情報を人目を惹く絵とともに印刷した、いわばちらし広告、それが引札です。

その美しさから、配布された当時でも台所や箱に貼られることもありました。そして今日では一種のアートとして扱われています。

現在、東近江市の伊庭内湖と近江八幡市の西の湖は繋がっておりません。しかし、かつては琵琶湖、大中の湖、西の湖、安土内湖、伊庭内湖が繋がっていたため、能登川港も大変賑わっておりました。
1879年の記録に「1年で約3,000の船が出入りし、25万を超える貨物が出入りした」とありますし、大津と能登川を繋げる汽船も運行していました。

今企画展の告知ポスターがまさに汽船とその時刻表を載せた引札であり、能登川港で廻船問屋を営んでいた田中新右衛門家が発行したものとなっています。
また1889年には能登川駅もでき、今からおよそ100年前の1925年には年間20万人もの利用客がいたと伝わっています。
船や鉄道によって人と物の出入りが多かったことから商業活動が盛んであった能登川地域では多くの引札が作られ、そして令和になっても多彩なデザインの引札が現存することになった模様です。

明治や大正の引札、そして昭和初期のちらしなど、今企画展では昔の能登川地域の空気が楽しめます。

明治、大正はもとより、令和となった今では昭和ですら「大昔である」と感じる方々は少なくないことかと思います。しかし「向暑の候ますます御清栄」「格別のお引き立てをたまわり」「親切・迅速・丁寧を旨として」などは、現代のビジネス上の挨拶としても馴染み深い表現です。

「放送十周年」「記念のこの好機!」「空くじ無しの抽選券」「お申込は早く」といったフレーズも、キャンペーンやイベント時にはお決まりの表現となっており、今を生きる人々にも親しみやすいものだと思います。
大きく変化した点もあれば、変わっていない点もある。引札とともに昭和30年代の地域の写真なども展示されているので、過日の能登川に思いを馳せつつ展示を見て回るのも有意義であるかと思います。

【第146回企画展「能登川の引札」】
開催地
滋賀県東近江市山路町2225
開催期間
2024年9月21日まで
開館時間
10:00~18:00
電話番号
0748-42-6761

地域ニュースサイト号外NETライター(東近江市・近江八幡市)

かつて「そこを制する者が天下を制する」といわれた近江国。聖徳太子ゆかりの地であり、数多くの太子伝説が今に残る東近江市。そして安土城や観音寺城など、戦国時代の城跡がある近江八幡市。そんな歴史深き故郷の文化や伝統、美味しい食べ物や飲み物、楽しいレジャーや賑やかなイベントなどなど……至らぬところばかりの若輩者ではございますが、皆様に諸々をお伝えする一助となれれば幸いにございます。

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