ウクライナ軍「水中神風ドローン」でセバストポリ港のロシア艦隊基地を攻撃
1機開発に約3750万円。再利用はできないが破壊力は大きい
2023年4月24日早朝3時30分にウクライナ軍の水中神風ドローン2機がクリミア半島のセバストポリ港のロシア軍の艦隊基地に攻撃を行った。爆発の瞬間の映像がSNSでも公開されている。
ドローンは空中からの監視・偵察や攻撃が多いが、水中で敵軍の艦船の監視や攻撃を行う水中ドローンも戦場では重要である。水中攻撃ドローンは標的の艦隊や艦船をめがけて突っ込んでいき爆破させる。いわゆる「水中神風ドローン」である。
ウクライナ政府は黒海にあるロシア軍の艦隊からのミサイルに対抗する水中攻撃ドローンの開発のためのクラウドファンディングでの資金提供を世界中に呼びかけている。
ウクライナ政府によると1機の水中攻撃ドローン開発につき25万ドル(約3750万円)かかる。空を飛ぶドローンは民生品の安価なドローンで偵察や監視、さらに爆弾をつけてロシア軍に投下して殺傷したり戦車を破壊したりすることもできる。空を飛ぶドローンに比べると、水中攻撃ドローンはかなり高価である。水中攻撃ドローンは敵軍の艦隊や海軍の基地に攻撃して爆破すると基本的に再利用はできない。だが破壊力は大きい。上空のドローンから爆弾を投下したり、ドローンごと突っ込んでいき爆発させる標的は戦車や軍事施設、塹壕のロシア兵など様々だが、水中神風ドローンの標的は艦隊や海軍の基地などで標的も大型である。そのため破壊力のある水中神風ドローンが必要である。また上空のドローンと比較すると深夜の暗闇の水中では迎撃されにくい。
▼ウクライナ軍が開発している水中攻撃ドローン
NFTアート販売で資金募集も
2022年11月にはゼレンスキー大統領はウクライナ軍は100機の水中攻撃ドローンが必要と伝えていた。ウクライナ軍は2022年9月と10月にも水中攻撃ドローンを使用していた。ゼレンスキー大統領は「ウクライナ軍は我々の海、平和な街をロシアの艦隊から発射されるミサイルから守らないといけない。世界中への穀物輸出にとっても重要です」とロシアとウクライナで多くの人に使用されているSNSテレグラムで語っていた。
2023年2月からは水中攻撃ドローンの開発の費用に充てるためにウクライナ政府として初のNFTアートの販売を行っている。目標として4機の水中攻撃ドローンを開発するために4000万フリヴニャを集めようとしている。「UACatsDivision」(ウクライナ軍のキャット部隊)という愛称の猫の絵柄は1万種類以上あり、ウクライナ軍の制服などを着ている。
▼ウクライナ軍の水中神風ドローンでロシア軍の艦隊基地を攻撃
▼世界初の水中攻撃ドローン開発のため資金提供を呼びかけるウクライナ政府
▼水中神風ドローン開発に向けてウクライナ政府初のNFTアート購入を呼びかけ