台風5号は宮城県に直撃の可能性も 12日(月)は大雨や暴風に厳重警戒を
きょう9日(金)の宮城県は夏空が広がりましたが、今南の海上には台風5号があります。この台風5号は、あす以降は徐々に西寄りに進路を変える見込みで11日(日)~12日(月)は宮城県を含む東北太平洋側にかなり接近し、上陸する可能性が高くなっています。
なぜ西寄りに進む?
通常「天気は西から下り坂」と言うように、低気圧や高気圧は西から東へと移動しますが、今回の台風はこれとは逆に東から西へと移動する予想になっています。
これは太平洋高気圧のしわざです。今週は「日中晴れていても午後は局地的に雨雲・雷雲が湧く」という状況が続いていました。これは太平洋高気圧が東西に割れたような状態になっているためです。そしてそこに発生した台風5号はこの間の道=気圧の谷間を北へと進んでくる見込みです。
ただ来週にかけては、東にある太平洋高気圧の“本陣”が西へと張り出してくるようになり、これに押し出されるような形になるため台風は東から西へと移動し、東北の太平洋側から上陸する予想です。
過去にも同じようなことはあり、2016年の台風10号と2021年の台風8号は東北太平洋側から上陸し、特に2016年のものは岩手県内に甚大な被害をもたらしました。
海では接近前から高波に
台風が接近する時はまず波からその影響が出てきます。台風が遠く離れていても波は遠くまで伝わってくるためで、東北太平洋側ではあす10日(土)は2.5mのち4mと徐々に波は高くなっていく予想です。
また台風がさらに近づく11日(日)からはさらなる大しけが予想されていますので、海には近づかないようにしてください。
長く続く暴風雨に警戒を
まだ進路の予想には多少の幅があるものの、9日(金)時点の予想では、11日(日)夜から12日(月)午前に宮城や岩手から上陸する予想となっています。
上陸時の予想中心気圧は約980hPaで2016年のものよりは若干弱いものの、今回の台風は動きが遅いという特徴があります。秋の台風ならば偏西風という強い風に流されるため時速60km/h前後で移動することもありますが、今回の台風は太平洋高気圧にジリジリ押されるだけなので、東北地方を通過するときの時速は15km/h前後と自転車並みのペースが予想されています。
このため強い雨や風が長く続き、特に雨の量が多くなる可能性が高くなっています。
宮城県においても12日(月)の午前中は台風本体の発達した雨雲がかかり続け、総雨量は多い所だと300mmを超える可能性があります。
仙台の8月1か月に降る雨の量の平年値は約150mmですのでその倍の雨が一気に降ってくる可能性があります。土砂災害や洪水、道路の冠水などに厳重な警戒が必要です。
またあす10日(土)であれば、時々にわか雨はあるもののまだ大雨というレベルではない見込みですので早いうちに大雨への備えをしておいてください。