創業しやすい街を目指す、という柳ケ瀬商店街の新たな挑戦
商店街・中心市街地の衰退は、バブル崩壊以降一気に加速してきた。
高齢化や、戦後高度成長期の成功体験から抜けられない事業も多い中、大店法の改正を契機に、郊外大規模ショッピングセンターとの競合に破れてきた。ここ岐阜市(岐阜県)の柳ケ瀬商店街(350*300メートルの四角形の平面型商店街)もご多分に漏れない。
中心店舗となる岐阜高島屋も、1991年をピークに売上げは減少。最盛期は600店を超えると言われてきた店舗数も、現在は約400店へと減少してきている。
そんななか商店街の活性化に向けて、イベントを行ったり家賃補助をしたり、と言った取り組みが行われてきた。が一方で、単発のイベントでは本質的な解決につながらないのでは?といった声も大きい。
行政からの補助助成を財源に、外注したイベントを行って集客が計られても、結局は個々の店舗が魅力的でなければ、イベントにやってきた方々も、なにも買い物をする事無く去っていく。
商店街ついて、小生はこれまで以下のように主張してきた。
こうした状況下でも、根強いファンに支えられるこだわりの食堂やスイーツショップの存在に加え、空き店舗に入居しこだわりのハンドメイド商品やスイーツを販売する女性経営者も増えている。そんななか、問題意識を感じた商店主らが中心に新たな動きも始まっている。
20-40代女性などに支持される行列店も複数商店街内にも見られる事から、それらを核に、素材や製法にこだわりのある商材を中心に、情報感度も高いその世代にターゲットを絞ったマルシェイベント「サンデービルヂングマーケット」を開催し、その出展者を空きテナントでの開業につなげることを目的とした企画。
出店希望者には、商店街振興組合としてサポートはもちろん、毎月引き続いてイベントを開催する事で、ターゲット層が重なる新規出店者の誘客促進につなげていく構えだ。
「衰退する商店街の「点滴」としてイベントの意義もあったかとは思うが、来街者は増えてもお客さんにはなっていかない。今日の商店街が目指すべき姿は、創業しやすい街であることが大事だ」
(林亨一・岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会理事長)
「これまでの柳ケ瀬商店街は時計の針が止まっていた。その時計を新たに動き出させるチャレンジがこの、サンデービルヂングマーケットだと確信しています」
(岡田さや加・サンデービルヂングマーケット実行委員長)
地元紙・岐阜新聞でも一面で特集されるなど、新たな挑戦に注目が集まっている。
これまで、商店街振興と言うと単発イベントやアーケードの改修などハード整備への期待が高かったののは事実。一方で、今回の柳ケ瀬商店街振興組合の新たな取り組みは、売上げアップ支援・創業支援と言った新たな取り組みとして応援し、注目していきたい。
<参考>
『サンデービルヂングマーケット』主催者発表資料より
『サンデービルヂングマーケット』は、毎月第三日曜日、岐阜市柳ケ瀬で開催されます。
まちを元気にする、「手づくり」と「こだわり」の詰まったライフスタイルマーケットです。
昭和のかおりが残るアーケードの架かったレトロな商店街と空きビルを会場に、ここでしか出会えない「人」や「モノ」、ここでしか味わえない「空気」と「時間」を5つの企画とともにお気軽に体感していただけます。
http://ysbmkt.com
開催日時 :毎月第3日曜日 11:00~16:00
(第1回 2014年9月21日)
場所 :岐阜市柳ケ瀬 日ノ出町通り周辺
主催 :サンデービルヂングマーケット実行委員会
岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会
後援 :岐阜市(予定)
目標来場者数:3,000人
当初出店者数:50店舗
当初購買者数:1,500人(1,000円/人)
出店条件 :・アート&クラフト
ハンドメイドの木工、金工、革製品、布小物、
アクセサリー、洋服など
・ブック&アンティーク
アンティークや独自にセレクトされた古書、CD、
レコードなど
・フード&スイーツ
オーガニックやこだわりの食材を使ったお菓子、
ベーカリー、野菜など