今夏LINE Payとメルペイが相互乗り入れ PayPayはプレミアムキャッシュレスフライデー
KNNポール神田です。
■昨日の敵は今日の友?
キャッシュレスのサービス界で、どこが先に走り抜けるかのデッドヒート状態だったが、ここに来て、『アライアンス(提携)』というスキームでエンドユーザーや加盟店の迷いを払拭しようとする動きが現れた。
□2019年初夏を目途に両社にて「LINE Pay」と「メルペイ」の決済サービスを取り扱う加盟店を相互開放し、各サービスのユーザーが双方の加盟店で利用できるようする。
□加盟店においては、いずれか一方の決済方法を導入するだけで「LINE Pay」「メルペイ」、両サービスのユーザーの利用を見込むことができ、導入負担軽減と多くの潜在的利用者の獲得というメリットを享受することができます。
加盟店としては、LINE Pay か メルペイかを導入すれば、どちらのユーザーの利用も獲得でき、請求は加盟した側というスキームだ。決済の手数料や料率は不明だが、加盟店アライアンス「MOBILE PAYMENT ALLIANCE(仮称)」というまとまりを作ることによって各キャッシュレス事業会社の受け皿を作り、キャッシュレス店舗を拡大していくという狙いだ。
■キャッシュレス社会の『呉越同舟』
キャッシュレス事業会社が、戦うべきは、『競合他社』ではなく『現金』という大きな壁。小規模な飲食店舗は、来る日も来る日も、いろんなキャッシュレス事業社の営業さんがやってきてはメリットを説く。クレジットカードよりもお得で簡単と別々の事業者から言われれば言われるほど、比較判断がしにくくなる。自前アプリでプリペイド(前払い)の顧客に一品サービスまでできる仕組みもあると判断が揺らぐ。
一方、アライアンスが形成されれば、店舗を開拓した事業会社を通じて、決済情報を『橋渡し』をするという状況で、新たに加盟店獲得の営業をする必要がなくなる。QRコードを共通化するのではなく、情報を経由する。
わかりやすく例えると、ひとつの交通カードで、各私鉄の乗り入れを自由にして、事業者同士があとで決済をするという仕組みをイメージするとよいだろう。
■ 第1弾、第2弾で総額200億円の獲得キャンペーンのPayPayは?
一方、気になるのは、『PayPay』の動きだ。当然、今回の提携の話は届いているはずだ。しかし、現在の段階では同意にいたっていないようだ。今後、アライアンスに参画するかどうかもわからない。200億円以上のキャンペーンサンクコスト(埋没費用)があるだけに、様子を伺うという路線も理解できる。
また、『PayPay』は独自展開で、2019年3月26日(火)より、全国の『ローソン(1万4659店舗)』で利用も可能となった。当初からファミリーマートでも使用可能なので、現在のPayPayキャンペーンでコンビニ大手で20%還元を受けられない『セブンイレブン』の動向も気になるところだ。それにしても第2弾の100億円還元はいまだに終了していないので、PayPayの使えるお店獲得の『埋蔵ポイント』は潤沢にありそうだ。
また、政府方面にも気遣い、『プレミアムキャッシュフライデー』で10倍還元を、2019年3月29日(金)の15〜18時限定で行うそうだ。
最大10倍のポイント還元なので、最大5万円までの飲食で1万円分(最大1,000円ポイント還元の10倍)となる。
https://www.paypay-corp.co.jp/notice/20190326/03/
OrigamiPay も、2019年3月29日のプレミムキャッシュフライデー に参加
□お支払いが何度でも10%OFF
□当日15時〜18時間にお支払いすると、後日100円OFFクーポンをプレゼント
いずれにせよ、加盟店舗とユーザーがキャッシュレスに慣れるひとつの提起として、このアライアンスの動きにどのキャッシュレス事業者が参画していくのかもウォッチしていきたいと思う。まずは『現金』を扱うことの生まれながらの習慣が、余計な手間を生んでいることを認識すべきだろう。