低迷する名門2球団。レッドソックスVSヤンキース、伝統の一戦のチケットが1ドルに暴落した。
伝統の一戦のチケットが、なんと、1ドルに暴落ー? レッドソックスは14日(日本時間15日)、本拠地フェンウェイ・パークでヤンキースとのダブルヘッダーを行い、今季の同カードの全日程を終了した。球界を代表するライバル球団として、ア・リーグ東地区でしのぎを削ってきた両軍も、今季は共に低迷。15日終了時点で最下位タイに並び、9月半ばで地区優勝の可能性は消滅。プレーオフ進出も厳しい。
地元紙ボストン・ヘラルド紙は、「ダブルヘッダーとなった12日の第1試合の試合開始時、代理店が販売する外野席のチケットが1ドルまで下がった」と報じた。チケットの転売ビジネスが盛んな米国では、需要と供給のバランスが市場価格に直結し、ダイナミックに変動する。かつては、入手が困難でプラチナチケット扱いだった当地のヤンキース戦も、もはや、消化試合。当地は不安定な天候が続き、更に、平日のデーゲームに組まれた振替試合とあって、客足は遠のいた。
同カードは初戦の11日と13日が雨天中止となり、12日と14日にダブルヘッダーが組み込まれた。販売済のチケットが換算される観客動員発表は4試合共に3万人を越えたが、第1試合の公式発表3万29人は、同カードでは1999年5月27日以来の最少記録だそうで、実際には空席が目立った。
同紙によると、フェンウェイ・パークは創立1912年当時、外野席の入場料が25セント、内野席が1・5ドルだったが、年々、チケット価格は上昇。上原浩治投手を守護神に擁し、世界一を達成した2013年9月のヤンキース戦のチケット平均価格は、実に221ドルだったという。
1975年のリーグMVPで、当地で同カードを観戦していたレ軍のレジェンド、フレッド・リン氏はSNSで「1ドルって、自分の現役時代より安いな」と投稿するなど、OBも色褪せた伝統の一戦を心配する。顕著なファン離れを危惧する球団は、この日、就任4年目となっていたハイム・ブルーム編成最高責任者を事実上の解任とし、シーズン途中での方向転換を決めた。球団経営がシビアなビジネスである以上、このタイミングで粛清人事が行われたことも、不思議ではなかった。