感心できない中日のドラ1ルーキー小笠原慎之介の育成方針といきなりの先発起用
中日のドラフト1位ルーキー、小笠原慎之介の1軍初登板は31日から開幕する交流戦の開幕戦対ソフトバンクでの先発になる可能性が出てきたようだ。ハッキリ言って感心しない。
なぜ、感心しないか?それはこの前途有望な若者の起用方針が、「本人の育成<チームの事情」になっているからだ。
ぼくは、新人選手には大きく分けて2種類があると思う。チームの事情で発生した一瞬のチャンスをモノにし自ら這い上がらねばならない選手と、チーム自体が短期的な内輪の事情に左右されず、その選手の将来に何がベストかをしっかりシナリオにして育てていかなければならない選手だ。
そして、高卒ドラ1の投手こそはその後者の典型である。これは、過保護に温室栽培しろということではない。将来はチームの屋台骨となるべき存在なのだから、それまでの道程は極めて計画的であるべきだと思うのだ。
昨今、高卒1年目でいきなり1軍で実績を残す選手は少なくない。しかし、体がしっかり出来ていないうちから一軍起用し、その後故障に苦しんでいるケースもある。
また、小笠原の場合はそもそもファームでもしっかしりた結果が出ていない。ここまで6試合に登板し、0勝2敗で防御率も5.47だ。まだ、1軍でそれなりのタマ数とイニング数をこなせる目処もついていない。昇格させるなら「満を持して」であるべきだ。
それなのに先週から1軍に昇格させている。当初は、中継ぎ起用という話もあった。将来のエース候補を中継ぎでデビューさせること自体ぼくには疑問だったが、ここに来て先発起用の噂さえ出てきた。これが真実だとすると、首脳陣の育成方針の一貫性を疑いたくなる。
中日の先発投手陣は、残念ながら安心して送り出せる人材が現時点では皆無だと言って良い。しかし頭数はソコソコ揃っている。今週末からの対楽天3連戦では、待望の大野雄大の復帰も見込まれている。そうなると、小笠原の起用はどうなるのだろうか?ドラ1を昇格させ先発起用するなら、最低でも3〜4度の機会は与えるべきだと思うが。