歌舞伎のチケットはどこで買う?公演情報はどこに? 〜初めて歌舞伎を見る時のお役立ちガイド〜
こんにちは。堀越です。
歌舞伎の舞台で役者に掛かる「音羽屋!高麗屋!」などの掛け声や、それをする常連客のことを大向うと呼びます。私が大向うを始めてから25年余り。その経験を活かして歌舞伎の魅力や歴史を楽しく・わかりやすくお伝えしていきたいと思っています。
今回は「歌舞伎を見る時ってどうしたらいいの?」という基本情報をまとめてご案内します。初めての歌舞伎体験が少しでもスムーズになるお手伝いになれば幸いです。
①歌舞伎はどこで見られる?
②チケットはいくら?
③チケットはどこで買う?
④役者や公演の情報はどこにある?
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①歌舞伎はどこで見られる?
主要な劇場は下記の通りです。
【東京】
歌舞伎座(最寄駅:東銀座)
歌舞伎の殿堂。
一年12ヶ月公演をしています。
基本的には毎月25日間、回数は三部制か昼夜二部制で、各部で異なる演目が上演されます。
歌舞伎は世界遺産にもなりましたが、この文化を守り続けてきたのが国ではなく、民間企業の松竹だというのは特筆すべきことでしょう。
国立劇場(最寄駅:半蔵門)
https://www.ntj.jac.go.jp/sp/kokuritsu.html
国営の劇場で、1,10,11,12月に通常公演。
6,7月に歌舞伎鑑賞教室。
これ以外にも年によって公演が追加されます。
基本的に公演期間は1ヶ月25日間、回数は1日一部(鑑賞教室は2回)となります。
チケット代金が少し安いのも特徴です。
※建て替えのため2023年11月〜2029年3月の期間、公演はありません(予定)。
【京都】
南座(最寄駅:京阪電鉄 祇園四条)
https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/
年末の南座「顔見世」公演は歴史のあるもので、京都の冬の風物詩となっています。
これ以外にも年によって公演が追加されます。
【大阪】
大阪松竹座(最寄駅;なんば)
https://www.shochiku.co.jp/play/theater/shochikuza/
正月公演、七月公演がほぼ毎年。
これ以外にも年によって公演が追加されます。
【福岡】
博多座(最寄駅:中洲川端)
https://www.hakataza.co.jp/sp/
中の売店なども充実した劇場です。歌舞伎公演は年に一度(6月が多いようです)ほどです。
【名古屋】
御園座(最寄駅:伏見)
歌舞伎公演は年に2〜3度ほどです。4月に若手公演、10月に「顔見世」を行うことが多いようです。
【その他】
平成中村座
https://e-nakamuraya.jp/works/performance/
十八代目中村勘三郎が「江戸時代の芝居を」という夢を実現させた仮設劇場です。
現在は息子である勘九郎と七之助が意志を継いでいます。
開催地、開催日は不定期ですが、たいへん人気の公演です。地元のそばに来る時はぜひチェックしてみてください。
旧金毘羅大芝居(金丸座)
https://www.konpirakabuki.jp/index.html
香川県琴平町にある、「こんぴら歌舞伎」でおなじみの劇場。1835年に作られた現存する中で日本最古の芝居小屋です。江戸時代の雰囲気を味わうならここでしょう。
八千代座
https://yamaga.site/?page_id=2
1910年に作られた熊本県、山鹿市にある芝居小屋。劇場の再興には坂東玉三郎が助力し、現在も不定期に公演を行っています。非常に雰囲気があり、一度は訪れたい劇場です。
これら以外にも岐阜県の“かしも明治座”など、各地に小さな芝居小屋が残っており、近年ではこうした劇場で特別公演が行われることも増えています。
②チケットはいくら?
歌舞伎座
三部制での料金は下記の通りです(2022年7月現在)。
1等席 16,000円
2等席 12,000円
3階A席 5,500円
3階B席 3,500円
1階桟敷席 17,000円
また、2022年11月・12月の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」は昼夜二部制となり、料金は下記の通りです。
1等席 23,000円
2等席 18,000円
3階A席 8,000円
3階B席 6,000円
1階桟敷席 25,000円
※平常時の歌舞伎座には「幕見席」と呼ばれる演目単位で見られる当日券があるのですが、コロナ環境下における行列回避などのため運営されていません。
国立劇場
2022年10月公演の料金は下記の通りです。
1等席 12,000円(学生8,400円)
2等席 8,000円(学生5,600円)
3等席 3,500円(学生2,500円)
料金は劇場や公演ごとに前後しますので、あくまでこれを目安として、最終的には公式情報をご確認ください。
③チケットはどこで買う?
いわゆるチケットサービスも使えますが、やはり歌舞伎のチケットは専用サイトで買うのが一番です。
チケットWeb松竹
https://www1.ticket-web-shochiku.com/
松竹主催公演はこちら。
座席表から好みの場所を選ぶことができます。
頻繁に見るようになったら発売初日より早く買える特典などがある「歌舞伎会」に入るのも良いでしょう。
国立劇場チケットセンター
国立劇場主催公演はこちら。
座席表から好みの場所を選ぶことができます。
その他、劇場公式サイト
博多座や御園座は劇場としてチケット販売サイトを運営しています。
各役者の後援会経由
後援会とは、一般的な言葉でいうならファンクラブと理解して良いでしょう。
たいていは発売日前に希望日を伝えてチケットを手配してもらいます。
後援会は現代的なファンクラブと違い、暗黙の作法や礼儀もあるので、後援会会員の先輩にアドバイスしてもらうと安心かもしれません。
※初めての歌舞伎でいきなりこのルートはないとは思いますが……
④役者や公演の情報はどこにある?
歌舞伎美人(かぶきびと)
チェックするならまずはここから。
松竹が運営する公式サイト。
主催公演の情報だけでなく、役者へのインタビュー記事やさまざまな解説記事などが充実しています。
毎月の公演の簡単なあらすじなども読め、初心者にも親切な設計になっています。
歌舞伎 on the web
公益社団法人日本俳優協会と一般社団法人伝統歌舞伎保存会が協力して運営している情報サイトです。
「歌舞伎俳優名鑑」「歌舞伎演目案内」などの情報が充実しています。
特に「歌舞伎公演データベース」は歌舞伎にハマってからアクセスすると過去公演の演目や顔合わせまで詳しくわかるので、かなり楽しめるマニアック情報となっています。
国立劇場歌舞伎情報サイト
国立劇場での公演情報が掲載されています。
また、リンク先として「歌舞伎への誘い」という入門情報サイトが用意されており、観劇前のお役立ち情報も見ることができます。
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以上、初めて歌舞伎を見に行くときに欲しくなる情報をまとめてご案内しました。これで「初めての歌舞伎」に挑戦しやすくなったのではないでしょうか。
話題の公演も多くありますので、ぜひ公式サイトの情報をチェックしてみてください。