来シーズンも短縮シーズンに? シーズン開幕が年明けになる可能性が出てきたNBA
【米メディアが来シーズンの開幕について言及】
NBAは新型コロナウイルスの影響から、約4ヶ月間の活動休止を経てフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドにチームを集結させシーズンを再開していたが、現在はポストシーズンに突入し連日熱いプレーを繰り広げている。
そんな中で米メディアから、来シーズン(2020-21シーズン)の開幕に関する情報が発信された。
これは米スポーツ専門サイトの「The Athletic」のシャムズ・キャラニア記者のツイートだが、彼が掴んだ情報によれば、NBAは理事会に対し来シーズンの開幕はクリスマス以降にずれ込むと伝達したということだ。
【かなり無理がある短期間のオフシーズン】
このまま選手に新型コロナウイルス陽性反応者が現れず、順調にスケジュールを消化できれば、NBAファイナルを戦い今シーズンの優勝チームは遅くとも10月12日には決定する予定だ。
その後一旦オフシーズンに入り、通常は毎年6月に実施されていたドラフトを行い、さらに選手の契約関連の手続きを終え、来シーズンの準備に取りかかることになる。
当初NBAは12月1日のシーズン開幕を想定していたが、あまりに短期間での準備を余儀なくされることになるため、アダム・シルバー・コミッショナーは「少し早すぎるように思う」と否定的な考えを明らかにしていた。
現時点でドラフトは11月18日の開催を目指しているようだが、これも流動的で、まだ何一つ決定しているものはないという状況だ。
クリスマス以降ということになれば、シーズン開幕は年を越してしまう可能性すらある。そうなれば来シーズンも、通常のシーズン82試合を実施できるかも危うくなってしまう。
【クリスマスのNBAは米国の人気イベント】
実は、NBAにとってクリスマスは非常に重要な日なのだ。
NBAは毎年クリスマスにそのシーズンの人気チーム同士が激突する好カードを組み、高視聴率を記録するクリスマスの人気スポーツイベントになっている。
活動休止前の今シーズンも、レイカーズ対クリッパーズやラプターズ対セルティックスなど注目カード5試合が組まれていた。
もし来シーズンの開幕がクリスマス以降にずれ込んでしまえば、米国民はクリスマスの風物詩の1つを失うことになってしまう。
【八村塁選手の凱旋帰国にも影響か?】
まだ来シーズンの実施形式が明確になっていないものの、確実なことは今シーズン終了後のオフが例年になく慌ただしいものになるということだ。
例年の場合シーズン終了後から翌シーズンのプレシーズンキャンプまで3ヶ月程度のオフ期間があり(ポストシーズンに進出できなかったチームなら5ヶ月程度)、海外からNBAに参戦している選手は一時帰国し母国である程度の時間を過ごすことも可能だった。
だが今回は、どう考えてもシーズン終了後からプレシーズンキャンプ実施まで何とか1ヶ月のオフをとれるのが精一杯という状況だ。
しかも海外組選手は一時帰国した場合、帰国後に一定期間の隔離措置を義務づける国(日本もその1つ)があり、時間を無駄にしてしまうことになる。短期間で来シーズンの準備を整えなければならない選手にとって、隔離措置期間中練習ができなくなってしまうのは大きな痛手だ。
1年目シーズンでファンの期待に応える活躍をみせた八村塁選手は、彼のシーズンはすでに終了しているが、果たしてこのオフに日本の地を踏むことができるのだろうか。
NBAはまだまだ様々な難題と向き合っていくことになりそうだ。