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歳出膨張の裏で、過去最高を更新し70兆円を超えた国の税収。それでもなかなか改まらない借金依存

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
各省庁からの概算要求の提出を受ける財務省(写真:イメージマート)

8月31日に、各省庁が財務省に提出することとなっている2024年度予算の概算要求の提出が締め切られる。歳出予算の要求は、このところ年を追うごとに増大しており、膨張の一途をたどっている。

その背景の1つには、国の税収が、このところ過去最高を更新し続けていることがある。2022年度決算における国の一般会計税収は、71兆1373億円と、2019年10月に消費税の標準税率を10%に引き上げて以降、3年連続で過去最高を更新し、ついに70兆円を超えた。

2022年度決算については、拙稿「2022年度の国の決算で、使わずじまいの支出が11兆円余。これってどういうこと?」でも言及したところである。この拙稿では、2022年度の歳出の不用額が10兆円を超えて過去最高となったことや国債発行額が決算段階で12兆円も減らせたことなどを述べた。

ちなみに、歳出の不用額と税収の間には特に強い関連はない。税収が増えようが減ろうが、当該年度末までに歳出予算を使わずじまいになれば、それが歳出の不用となる。むしろ、前掲拙稿で触れた国債発行の減額と、この税収増とが深く関係している。

話を税収に戻そう。では、国の税収がどうしてこれほどまでに増えたのだろうか。本稿執筆時点で、まだコロナ禍から完全には脱していない。コロナ禍での経済的な打撃は、外出自粛や休業要請などでとても大きかったとみられるが、コロナ禍に入った2020年度から3年連続で税収は過去最高を更新しているのだ。

その要因を掘り下げてみてみよう。まず、

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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