日米韓首脳会談 韓国メディアの報道「文在寅政権時代の反日狩りはもうやめよう」
きのう29日は、硬直化した日韓関係に動きがある一日だった。
・NATO首脳会談開催中のスペインにて日米韓首脳会談が行われる
・岸田文雄首相と尹錫悦大統領が現地で立ち話。
・韓国政府による元徴用工問題の解決案が浮上。日韓の企業や個人による募金で300億ウォン（約31億円）程度の基金をつくり被害者に支給するもの。
・金浦―羽田便の復活。コロナ禍によって2年3ヶ月休止していた。
はたして韓国の反応はどうだったのか。
きょう30日、朝刊の社説で日韓関係を報じたのは3媒体だった（国内最大の通信社「聯合ニュース」が選んだ主要16媒体より）。
社説：強制動員基金補償案、韓日関係改善の糸口にならなければ 「ソウル新聞」
5年ぶりの韓米日首脳会談、北朝鮮の核問題での協調を復元し、韓日関係の道を開くものにせよ 「朝鮮日報」
金浦~羽田 空の道が開いたように 詰まった韓日関係にも道を 「毎日経済」
3／16とは少ない。そういう印象もある。
いっぽうで後者ふたつは「有力一般紙（五大紙）」「ナンバーワン経済紙」だった。韓国の朝刊社説はおよそ各紙、毎日3本ずつその日にその媒体が重要と判断したテーマについて論を展開する。意見を述べるわけだから、韓国側の見方が分かるものでもある。
各紙は何を論じたのか。
ソウル新聞
「ソウル新聞」は「基金が問題解決につながれば幸い」としつつ、基金の課題を挙げた。
・日本企業が基金造成に参加しない方向で進行している点には限界もある。
・基金の性格が賠償ではない、慰労というかたちの補償であるという点。
・日本政府による責任認定と謝罪が排除された点。
そのうえで「日本のより誠意ある姿勢と、韓国政府の被害者たちの理解を求める努力が続いていかなければならない」と結んだ。
朝鮮日報
保守系の大手紙「朝鮮日報」は日米韓首脳会談開催についてこう評した。
「文在寅政権の対北のショーと反日狩りにより退潮していた韓米日の三角協調が5年ぶりに再び稼働し始めた」
同紙はさらに文在寅政権時代を強い論調で批判した。
「韓日米の協調関係が弱体化したのは、文在寅政権の韓日合意破棄など反日狩りが触発した事態だ」
「韓日関係を国内政治に利用することは、両国においてこれ以上なくさなくてはならない」
毎日経済
国内最大の経済紙「毎日経済」はコロナ禍によって休止していた金浦―羽田便が復活した日と、文在寅大統領が顔を合わせたタイミングが重なった点を冒頭で記した。
さらに両国関係については国際情勢を鑑みて「重要」とした。
「米中の覇権競争とウクライナ事態の長期化によりグローバル経済への不安長期化が重なるなか、韓国と日本の協力関係の必要性はより大きくなっている」
「このような状況下、過去の問題により最悪の状態になった関係を放置しておくことはすべてにおいて損害でしかない」
そのうえで両国首脳は「今回の面会を問題解決の緒にせねばならない」とし、韓国に対しては「GSOMIA正常化」、日本に対しては「ホワイト国解除の取りやめ」を求めた。
（了）
